第61話 防衛軍とモフモフ島の誕生?
黒い瘴気を放つ巨大生物の脅威が去ったあとのアルティア共和国。
アルティア共和国は、初めて直面した脅威に何も対応できなかった反省から、防衛隊の再編成を行った。
防衛隊は警察としての役割が主だったが、軍備を大幅に増強し軍隊と呼べる体制となる。巨大生物を専門に警戒、戦闘を行う軍隊。アルティア共和国に巨大生物防衛軍が誕生した。
そして、国民の生活圏に生息している巨大生物は、全て駆除対象となる。海岸付近に生息していたエビ型、カニ型、ヤドカリ型などは発見し次第、殺処分もしくは外海へと追いやられた。
数は少なかったが、陸上にも巨大生物は生息していた。
その中で比較的に数も多く民家の近くに生息していた毛むくじゃらの巨大生物も当然のように次々と駆除されていく。
「毛むくじゃらをまとめて焼却する。谷底へ追い込め」
谷底で動けなくなった毛むくじゃらの巨大生物は、貫通弾や焼夷弾などにより倒されていった。モフモフとした見た目の割に丈夫ではあったが、防衛軍の容赦のない攻撃に耐えることはできなかった。
駆除の様子は、ニュース映像でアルティア共和国の国民の目に触れることとなる。愛くるしい見た目の毛むくじゃらの巨大生物が一方的にやられていく姿を見て、一部の国民から反対の声が上がる。
「黒い瘴気を放っていた巨大生物以外は危険ではない。虐殺はやめるべきだ」
国民の中で議論が沸き起こり、毛むくじゃらの巨大生物の一部は保護され、本土から遠く離れた無人島へ移送された。
海上での毛むくじゃらの巨大生物は暴れることもなく、ただプカプカ浮いているだけだったので移送は楽だった。
無人島に移送された毛むくじゃらの巨大生物。その生命力は強く、無人島で繁殖した。そして、図らずも後にパウンド癒しの島となる。
そうして黒い瘴気を放つ巨大生物の出現後、人類と巨大生物の関係は悪化、新たな秩序が生まれていった。
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