第57話 モフモフの食事?

 僕らがモフモフと呼ぶ巨大生物。

 毛むくじゃらで、フカフカして触り心地がとても良い。お日様の匂いがする。とても可愛い巨大生物。


《今日も可愛いですね》


 ---------------本当だね。


 僕もニノもモフモフが大好きだ。

 ペット? 家族? よく分からないが、そんな感じだ。

 しかし、僕らはモフモフのことを全然分かっていなかった。


 ---------------ところでモフモフって何を食べてるのかな? ニノは知ってる?


《そういえば知りません。食べているところを見たことがありません》


 ---------------そうなんだ。不思議だね。


 たまに海に入っているから、その時に海中でマグロでも食べているのだろうか。マグロを食べる巨大生物は馬鹿にされてしまうこともあるが、その点は大丈夫だろうか。


 海に入ったモフモフを注視する。しかし、何をするでもなくプカプカと浮いているだけ。とても可愛い。


 ---------------何かを捕食しているようには見えないね。


《そうですね》


 見えないところでプランクトンでも吸収しているのだろうか。

 いや、先日、聞いたファイン少尉の話の中だと、モフモフは山の中でも生息していた。そう考えると、プランクトンではないだろう。さっぱり何を食べているのか分からない。


 あまりにも気になってきたので、ファイン少尉に聞いてみた。モフモフは不思議な巨大生物で、以前とある博士が研究していたらしく、その生態について知っていた。


「光合成をしてますよ」


 まさかの光合成。意外な答えが返ってきた。


【植物なんですか?】


「植物とは違いますが、毛で見えないですけど身体は深緑色で、表面の白いふわふわの毛は植物で言う根っこみたいなものですよ」


 ---------------根っこ!


《根っこ!》


 モフモフは、まさか植物系巨大生物で、いつもモフモフしていたものは根っこだったとは。

 ニノを見ると、根っこ発言にショックを受けたようで遠い目をしていた。





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