第3話 貧乏くじを引いちゃうんだよなぁ
「どうする?」
「とりあえず立候補する人とかいる?」
「お前やれよ。絶対向いてるって」
などとふざけあったりして、なかなか決まらない男子一同。ちなみに女子は、
「てかもうぶっちゃけ佐生でよくね?」
チャラい男子の誰かがそう言った。佐生は、太が言っていた超絶ハイスペックのイケメン男子である。
「うーん。僕はいろいろ忙しいからしたくないかな……」
と本人は消極的。何か事情でもあるのだろうか。
「じゃ、時間ないし、くじ引きで決めよーぜ」
と出席番号順で俺の前に座っていた
ちなみにこのクラスのメンバーは39人で、俺ら男子は20人。確率は低いけど、俺はネガティブなので悪い方向に考えてしまう。まぁこういう時は―
「井山に篠崎な。じゃ1学期よろしくな~。変えるの面倒だから1年間やってもいいぞ~」
「はぁ」
見事くじを引き当てた俺は、平加先生に連絡しに行っていた。あと笑えない冗談も言われたけど。
「井山君大丈夫?」
篠崎さんは心配して問いかけてくれた。おそらく俺がそういうキャラじゃないのわかっているんだろう。けど一応公正なくじ引きだったし、仕方なくやるしかないだろう。
「まぁしょうがないかな。困ったときはよろしく」
「もちろん!」
流石、自分から立候補する委員長。俺とは大違い。
そして帰ろうと思って靴箱に行くと、太が待っていてくれた。
「涼殿、大丈夫でござるか? わ、わしじゃなくて助かったでござるが……」
確かに太が引いてたら、気絶するかもな。
「まぁしょうがないから、なんとかがんばるよ」
「流石ですな、涼殿」
「そんなことないって。それに篠崎さんもいるし」
「同じ中学だったでござるか?」
「そうそう。面識はないけど、しっかり者で学校内で人気だったよ」
たぶん向こう側は、俺のデータ同じ中学だけだろうけど。面識ないからそれすら知らないかもだが。でも篠崎さんみたいな人が将来重宝されるんだろうな……
「まぁでもこのクラスはいろいろありそうだから気を付けるでござるよ」
その後、すぐに太の予感が当たるとは……
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