第2話 自己紹介とかいう拷問

新しいクラス、そしてハイスペックな面々のこともあり、ざわざわしている教室に静寂が訪れた。ドアを乱暴に開けて面倒くさそうにのそのぞと教壇に立った。スタイル、容姿は良いが、身だしなみはだらしないこの女性。去年、入学したときは見たことがないので新しく赴任してきた先生だろう。


 「えーこのクラスを1年間担当する 平加凪ひらか なぎだ。担当は現代文だ。今年からこの学校に来たからよくわからんが、まぁ1年間よろしく」

 

 容姿が良いこともあり、盛り上がる男子一同。まぁなんか気怠そうで、だらしないけど……


 その後、新学期ということで着任式やら、始業式やら行われていた。平加先生は、この学校に来る前は県内有数の進学校で教えていたらしい。なんやかんやで凄いのかもな。


 式が終わると新クラスでの自己紹介が行われることになった。平加先生は

「まぁ、形式上やっとくか? 面倒くさいけど」

 と本音を漏らしていた。ちなみに俺はこういうの苦手だからほんとやらなくてよかったのに。しかも井山だからすぐ順番来るし。


「えと、井山 涼です。1年間よろしくお願いします」

 おそらく何億通り言われたであろうテンプレ自己紹介で目立つのを避ける。緊張したけど何とか目立つのは避けれたようだ。まぁ太は


「の、のや 野山 太でござりゅ、ござる。好きな本は 俺の妹に養われて世界征服で……」

 などと盛大にやらかし、失笑されていた。こういうとき、オタクに人権ないよなぁ……


 まぁ自己紹介はイケメンやら美少女やらで盛り上がったりした。


「まぁ、自己紹介も終わったことだしもうお前ら知り合いだろ? 適当に委員長とかお前らで決めといてくれ。私は忙しいので よ ろ し く」

 そういって教室から出て行った。いや本当にあなた教師ですか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る