にゃ王様、ぐうたら。
『命‼︎我は重大なことに気が付いたにゃ』
「え、なに」
『我の崇高さを全く知らしめてないにゃ』
「今までめちゃくちゃダラダラしてたじゃん。どうしたのさ急に」
『ダラダラなどいない!』
「ご飯を食っては寝て、時には人のおかずを盗む。ぐうたら生活でしょ」
『いや、あれはこちらの世界を知るために仕方な〜くしていたのだ!』
「仕方なーくか…ならキャットフードに戻しても大丈夫か」
『それとこれとは話が違う!』
「キャットフードも美味いんだろ?」
『それはそうだが毎日は飽きる。それに人間の飯の方が美味いにゃ』
「まぁそうだろうな。人のおかずを取るくらいだもんな」
『お前、根に持っているな!』
「べっつにー」
『小さい男め』
盛大なブーメランを投げつける魔王様。命は頬を引き攣らせるが拳はまだ出ない。
「皮が猫じゃなければ…!」
自分の手を見てそう言った。たしかにもしも魔王様が猫の姿でなければ即座に殴られたいただろう。
『ほれ、何か良い案はないか?もし出すことができれば褒美もやろう』
「ちなみに褒美って?」
『しかないからな我のおかずをやるにゃ』
「それって…いや、何でもない」
『なら良い。それで案はないのか?』
「案って言ってもなぁ…」
『我の素晴らしさを伝えるにゃ』
「困り事の手伝いとか?」
『そんなもので我のこの素晴らしさは伝わるのか?』
「まおーさまの優しさと、後なんだろ…素晴らしさ?が伝わるんじゃない?多分」
かなり適当な気もするが…魔王様はなんだかんだ乗る気のようだ。
その時命が「あ、」と何か閃いた。
「いや、もういっそのことそのぐうたらを見せたら?需要はあるんじゃないかな」
『にゃんだとぉ!』
「そういうのを見るのが好きな人はいると思うよ」
『そうなのか?』
「だからさ、そのままでも良いんじゃないかってこと」
それを聞いた魔王様は尻尾を揺らしていた。
『この姿を求めている者がいるのなら仕方がないにゃ』
そうして魔王様布教計画は何も進まずに終わった。
♢♢♢次回予告♢♢♢
もう、命ったらまた魔王様を甘やかすぅ。
魔王様も!本当にそれで良いのですか⁈
魔王様何食べてるんですか?メロンパン?
あぁ、美味しいですよね。
メロンが入ってない?まぁ、そうですよね。そんなもんですよ。
next:にゃ王様、メロンパン。
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