にゃ王様、美味しいもの。
「ごめんって〜」
謝る命。顔を逸らす魔王様。
せっかくおしゃれが出来るところだったというのにストップがかかりいじけているのだった。
「あれは無理だけど、今度代わりに別のところで買おう」
『仕方ないにゃ!約束は必ず果たすのだぞ』
「もちろん」
『しかしその分我は美味いものを要求するにゃ!』
「美味しいもの…ドラって何食べても大丈夫なんだよね」
『そうだ。我をそこらのものと一緒にするでない』
胸を張って主張する魔王様を尻目に引き出しを漁る命。そしてそこからカラフルな星屑が入った瓶を取り出した。
『それは何だ?』
「金平糖だよ」
『こんぺいとう?』
「簡単にいうと砂糖の塊?かなぁ。食べてみる?」
『砂糖の塊を食べるのか?』
「美味しいから食べてみな」
『!!なんにゃこれは…!』
「どう?」
『美味い!あるだけ寄越すにゃ』
「はいはい、糖分のとりすぎはやばいから程々にね」
一粒食べて雷が走った魔王様はお代わりを要求しまた食べる。
あまり大きくはない瓶に入った金平糖はすぐに消えてしまった。
『もうないのか⁈命、追加を』
「ないよー」
『何⁈』
「また買ってこないと無いかな」
『ならば早う買ってこんか』
「えー、今からは無理かな…って言うか食べ過ぎだからドラ」
『いいのだ!我はそこらのものたちとは違う!尊く高貴なものにゃ。これくらいでどうとなるものか』
「ダメなものはダメ!」
『服もダメならこれもダメなのか…』
魔王様は項垂れチラチラと命を見る。
うーん、この魔王様自分の可愛さを分かっている!
「あ"ー、そうだけどぉ…」
『そうだけど…?どうせないにゃ』
「分かったから。今日は無理だから明日。明日買ってくる」
『仕方ない。それ許してやるにゃ!』
「このネコ…!」
先ほどの様子とは打って変わって小躍りをしだす魔王様。命はそれを恨めしそうな目で見ていた。
♢♢♢次回予告♢♢♢
金平糖をお気に召した魔王様。美味しいですよねぇ。
可愛い?魔王様はそりゃあ可愛いですよ!え?違う?魔王様じゃないの⁈
じゃあ何が?
…ぬいぐるみ?
next:にゃ王様、ぬいぐるみ。
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