にゃ王様、洋服。
「そういえばドラって元魔王(?)なんだよね」
『(?)はいらんにゃ!魔王だ』
「勇者のせいで猫になったーとか言ってたけど元はどんな姿だったの?やっぱ猫?」
『違うわ!ちょーうカッコいい姿だったにゃ』
「こんな姿?」
『そうそう、って違う!なぜカッコいいでそれが出てくるのだ!』
命は図鑑を取り出し魔王様に見せた。
表紙には『UMA完全図鑑。〜きっと彼らは存在するⅡ〜』と書かれていた。
その中から迷うことなくページを開きそのイラストを魔王様に向け「これだ!」と指を差していた。
そんな命に呆れの目を向ける魔王様。
「冗談だってばー」
『ふん、ふざけるでない』
「でも本当にどんな姿だったの?猫?犬?オウム?」
『お前と同じだにゃ』
「俺と同じ?人の姿ってこと?」
『そうだ。見た目は何ら変わらない』
「へー……?…⁈ど、ドラ。俺やばいことに気付いてしまった…!」
『な、何だにゃ?』
「ドラってば裸だ!」
無言で命の頬にパンチをする魔王様。
それを痛がる命。馬鹿だなぁ…
「痛っ」
『バカなのか?』
「すみませんでした。つい思ったことを口に出してしまいました」
『本当にバカなのか?はぁー、まぁよいにゃ』
「でも、実際にはどうなの?すっぽんぽん?」
『表現を変えればいいとでも思っているのか?』
「気になるじゃんか。ねねっ、やっぱりそうなの?」
『毛皮が服みたいなものにゃ。支障はない』
「そうなんだぁ……服を着たいとかは思わないの?」
『この姿であるからな。服は着れないにゃ』
「猫用の服は?」
『猫用の服?そんなものがあるのか⁈』
「あるよー。ほら、こんなやつとか」
命は猫用の服が写ったスマホの画面を見せながらそう言った。
『なん、だと⁈』
「へー、色々あるんだね」
『命!それをよく見せるのだ!』
「はいどうぞ」
『おぉ!これはいいな!む、我はこれが良いぞ!』
「これ?」
『そうにゃ!買いに行くぞ!』
「え、近くにこんなお店あったかな…」
『どうしたのだ?』
「んーとっ場所は…ってあれ?通販もやってるんだ」
『つうはん?』
「お店に行かずに頼めるんだよ」
『何だと⁈ここで買えるのか』
「そうそう」
『早く買うにゃ!』
「これだよね?」
『そうにゃ!』
「……ドラ、別のにしない?」
『我はこれを所望する!』
「ごめん、ゼロが多い」
そこに表示された金額は普段命が使う金額よりもゼロが二つほど多くなっていた。
「もっと安いのにしてください!」
♢♢♢次回予告♢♢♢
魔王様、お洋服を手にいれ…なかったのですね。きっとまた別の機会がありますよ!
その代わりに美味しいもの?かしこまりました!ただいま‼︎
next:にゃ王様、美味いもの。
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