にゃ王様、ガチャ。
『何をしておるのだ命?』
「ソシャゲ。石集め中」
『石ぃ?外に行くのか?』
「いや、行かないけど」
『石を集めるのだろう?我も行ってやるにゃ!』
「あのね、ソシャゲってのはゲームで石はゲームの中のガチャ石…魔石のこと」
『なに、この世界にもまさかがあるのか⁈』
「ゲームの話!実際にあるわけじゃないから!」
『何にゃ、詰まらん』
「はいはい」
命は魔王様と会話しつつもその手は止まらない。残像ができるほど…は流石に嘘だが高速で指が動いている。
「あ"ー腱鞘炎になりそう」
『辞めれば良いだけだにゃ』
「それは無理。推しのピックアップ‼︎」
『おし…?』
「好きなキャラのこと」
パシパシと瞬きをする魔王様。こんなにも目を輝かせ頬を紅潮させている命の姿など見たことがな、、、いや、あった。
この姿どこかで…!
「うーん全然出ない…天井までやるしかないよねぇ」
『それが“がちゃ”か?』
「そうそう、ここを押すと引けるんだ。やってみる?」
『うむ、我がやってやろう』
「マジでお願いします。神様仏様ドラ様。頼んだ」
拝み始めた命の奇行を気にすることなく魔王様はゲームの画面を押した。そしてその画面を見た直後、声を上げた。
「はっ⁈えっ?虹!マジで?」
『⁈』
「確定演出キタコレ!神!」
『何だ⁈』
「たのむ、ケサラ!お願いします!」
魔王様が画面をタップするとそこに白いもふもふとしたキャラが現れた。命はそれを認識すると本日二度目の大声を上げた。
『……何にゃ、この白い毛玉は』
「ケサランパサランたん…‼︎」
『は?』
「ありがとう〜ドラ〜!」
そうだ、どこかで見たことがあるようなあの表情は魔王様と出会った当時のもの…!
またUMAなのか!魔王様よりもUMAなのか…
命さんや、隣を見てみろ。もっと珍しい存在が近くにいるだろう!
『ケサ…パサ?』
「ケサランパサラン!民間伝説上の謎生物。色々と謎。そこも可愛い俺の推し!」
『そ、そうか』
熱弁を始める命。出会った時からブレることのない姿である。
その姿に少しだけ引く魔王様がいたらしい。
♢♢♢次回予告♢♢♢
推しという概念を知った魔王様だったが命のUMAに対する情熱はあまり理解できなかったようだ。いつか分かる日が来るのだろうか…
そういえばこの三毛猫さん何も着ていない。っていうことは魔王様ってば裸ってこと?きゃっ
え?猫だから良いだろう?
ノリですノリ。でも猫用の服があるって知ってますか魔王様?
next:にゃ王様、洋服。
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