にゃ王様、ご飯。

『ぶにゃぁ〜〜』


大きな欠伸とともに起き上がる魔王様。おはようございます!


「ドラ?目覚めたんだね。よかったぁ」

『どうしたのだ?』

「2日間寝たままだったんだよ」

『にゃんだと?魔力の枯渇のせいか…?』

「大丈夫なの?病院とか行ったほうがいい?」

『まぁ、問題はなかろう』

「そっか、病院行くにしてもどこに行けばいいか分からないからなぁ……」

『どことはどういうことにゃ?』

「ほらドラって猫だけど新種のUMん"ん"っ、他の世界から来た魔王だから動物病院じゃまずいのかと思って」

『お前はまた我のことを“ゆー何たら”と…』


ジト目で命を見る魔王様。

その時、「ぐぅぅーーー」と爆音がした。


「えっ、何⁈」

『腹が減った‼︎』

「んっ⁈は⁈あれってドラのお腹の音なの⁈」

『食い物はないか?』

「えぇー、まじか…お腹の音……」


目を丸くする命とそんなもの気にせず我が道を行く魔王様。

命は驚きつつも魔王様が目覚めた時のために用意しておいたご飯を出した。


『はぐはぐ!』

「喉詰まらせないでねー」


物凄い勢いで減っていくご飯はすぐになくなった。それだけでは足りない魔王様は他には無いのかと命に尋ねた。


「んー、わかった。取ってくるから待ってて」

『いや、それでいい。貰うぞ』


命が魔王様の様子を見るために部屋に持ってきて食べていたご飯をロックオンした魔王様。ローテーブルに飛び乗り命に一声かけて食べる。


「えっ⁈何してんの⁈猫って人間のご飯食べていいのか?」

『何を言ってるにゃ。先程自分で言っていただろう。我はただの猫ではないと。大丈夫に決まっているにゃ』

「そ、そっか」

『これ美味いにゃ。今度からこれを用意するにゃ!』

「あぁ、うん。って、まてまてそれ俺の晩飯!」

『貰うと言ったにゃ。奪われる方が悪い』


しれっとした顔で食べ続ける魔王様。その首根っこを持ち止める命。二者の攻防戦が始まった。


「うわぁ、めっちゃ減ってる……」

『ふん、ふふん』


結果、魔王様の食べ物に対する執念が勝ち命は半分を魔王様に譲ることとなった。

首を項垂れる命と満足そうにご飯を頬張る魔王様。


「元気そうだしいっか」

『なんだ?食わないのか?なら貰うぞ』

「食べる!食べるから!」


安心したように笑う命。高校生なのに魔王様よりも大人だぁ……


「すきあり!」

『命!それは我のだぞ!』

「元は俺のですぅ〜」


大人…か?まぁ、仲が良いことは良いことだ!うん!



♢♢♢次回予告♢♢♢

元気いっぱい魔王様!そんなに食べて大丈夫ですか?

……あぁ!成程、魔力枯渇のせいですか。

えっ?魔力枯渇とは何かって?


next:にゃ王様、魔力。

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