にゃ王様、チュール。
『…‼︎ちゅーる!』
長細いビニールパッケージに猫のイラストが描かれたものが頭の中に浮かび、天啓を受けたように魔王様が叫んぶ。
それに間髪入れず命が言った。
「チュール。tulle、な?」
真っ黒な笑みを浮かべる命。それを見てしまった魔王様は高速で首を縦に振る。
その一方で命の内心では冷や汗がダラダラと流れていた。
そう、どこまで許されているのか分からないのだ。
名前を出すくらいならいいのか?正直全く分からない。
ということでここに出てくるチュールはtulleという布の一つであって猫のホニャニャではナイデス。
魔王様の頭に浮かんだ何かは気のせいだ。
そんなものはなかったのだ。
『っは!我はそんなものに屈することはないのだ!ちゅーるはないのか⁈』
「チュールね、それどこで知ったの?」
『頭の中に降りてきたのだ。芳しい香りで誘いドロリとしたそれを一口食べれば…』
「ドラ、チュールっていうのはね布の一つなんだ」
『騙されんぞ!食べ物だろう!』
「違うよ、ほら。こういう布のことをチュールっていうんだ」
そう言いながら何処からかひらりと布を取り出した。
「こういう細かい網目状に織った布がをチュールだよ。分かった?」
その「分かった」には疑問符が付いているようで全くもって付いていなかった。
それに口を閉ざした魔王様に向かって何事もなかったように布をひらひらと動かしはじめる。
「にゃっ!!」
「ほらほら」
そしてついに我慢ができなくなった魔王様が布で遊び始める。
完全に愛猫とその飼い主の図である。この光景をみたら誰もあの猫が魔王様だと気付かないだろう。
こうして何事も無く日々は過ぎてゆくのだった。
♢♢♢次回予告♢♢♢
知的財産権はどこまで適用される……?
セーフか?これ行けるのか?
行けんべ!行ったろ!
ということでここまで来ました。
明日は魔王様が川へ行くらしい。最近暑いからいいですね。涼みに行きましょう!
next:にゃ王様、川。
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