魔王様、にゃ王様。

スマホを取り出し操作をする命。液晶画面に映像が映った。

その瞬間、ぴくりと魔王様の耳が立った。

それを見た命は魔王様に声を掛けた。


「ドラも見る?」

『こ、これはなんにゃ⁈小人か?この中に小人が入っているのか⁈』

「え?あぁこれはテレビだよ。別に生きている人が入っている訳ではないんだ」

『てれび?』

「そう、そう。一緒にみよう?」

『ふむ。この世界を知るためだにゃ。仕方ない、我と共に見ることを許そう』

「ハイハイ」


そう適当に返事をする命。

時刻は丁度8時となり番組が始まった。



《「くるっと、赤色担当二宮にのみや!」


「キャピッと朱色担当三宮さんのみや!」


「え、担当なんてなかったよね⁈しかも色被ってるし!あぁ"…ん"ん"、ラブリーに鴇色担当四宮しのみや!」


「あなたの元に最新情報を〜」


     「「「お届け!」」」




「我々、二三四ふみし隊は話題の“ねこねこ猫なのぬこランド”に来ております!」

「いや、“猫”なの“ぬこ”なのどっちなの⁈」

「猫の下僕ですヨォ」


ヒョロリと背の高い男がの背後から出て来た。


「うおっ、え、なんかヌルッと出て来た。何?どちら様?」

「こちらの店長さんの湯田さんですね」

「はい、はじめまして」

「よろしくね!ゆだっち」

「ぇ、、俺がおかしいの…?」


明らかに様子のおかしい湯田という男を気にした様子もなく挨拶をする少女、二宮と青年その1こと三宮。

四宮と名乗った青年その2は思わずツッコミを入れた。


「いや、やっぱ可笑しいよな!なんで猫が頭に引っ付いてんだよ!」


オープニングの挨拶からツッコンでばかりの四宮はぜぇ、ぜぇと息を切らした。

それに対して二宮は首を縦に動かし頷いた。


「そうですなぁ、、猫ちゃんの可愛いポイントは高いですが、土台の人間が可愛いではないので減点ですねぇ。どうです二宮さん」

「そうですねぇ、ここは爽やかイケメンが頭に乗せるのが最適解でしょう。三宮さん」


「ちょ、お前ら失礼だから!!」


四宮はまたもやツッコむ。


「えぇ、そうデスヨ!」

「ほら、怒ってんじゃん!」

「私は猫の引き立て役ですからこの姿こそが最・適・解!なのデスヨォ」


「なんでだよ!」》


頭を抱える四宮だったが取材は進んでいく。

その後は度々ボケてはツッコミが入りながら猫にデレる人々の様子が映し出されていた。

それを見た魔王様が声を上げた。


『コ・レ・だ!』

「え、どうしたの?

「フハハッ、フハハハハァッ!コレダァ!コレなのだぁ!

「ちょ、大丈夫?はっ、今のテレビにこうさせるものがあるのか?ならもしかして未知のもの写ってるいたのか⁈」

『五月蝿いぞ、命!』


魔王様は高笑いをやめてむにゅりとパンチを繰り出す。

Hit!命はゼロダメージを受けた。


『人類をみな我の下僕にしてやるにゃ!』

『そうだ、我が如何なる姿であろうと世界の支配者であることに変わりはない!』

「うーん。そっかぁ」

『命!まずこの家から征服するぞ!』

「えー……いや、それはそれで面白いかも…?」


首を傾げる命だったが“面倒”と“面白い”を天秤にかけ、“面白い”に傾いた。


「よし!頑張ろうな!」

『行くぞ!我は猫の王となり世界を征服するのだ!ニャハハハハ!』


魔王様のにゃ王へとなる道が始まった。



♢♢♢次回予告♢♢♢

ついに魔王様は猫であることを受け入れ…た?待ち受ける波乱万丈の日々!

ここから魔王様の生涯を綴る伝記のページがまた新たに紡がれる。


next:にゃ王様、VSラスボス。

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