告白。

「高三の夏、俺に人生初の彼女が出来たんだ。彼女の名前は、ヒナ。彼女とは小中高が一緒で、いわゆる幼馴染ってやつだったんだ。それまで僕たちはお互いを恋愛対象として、見ていなかったんだけど、高校生に上がるとお互いを意識し始めたんだ。それで僕は気づいたらヒナのことを好きになっていた。それで遊園地デートに誘い、観覧車に乗り、頂上で告白した。告白の仕方は、ちょっとベタだったかもしれないけど、ヒナは嬉しいそうに、まぶしい微笑みを見せて、こう言ったんだ」


「私も颯太が好きだよ。きっと私達がお互いを好きになるのは、理由なんて要らないんだ。私達が結ばれるのは、生まれたときから決まっていたことなんだよ。そして私、颯太に告白されて、凄く嬉しい。言葉にできないほどに、だから私は颯太と付き合います」と。


 その日の夜だった。

 ヒナは自身の部屋で死体となって、見つかった。死因は自殺だった。

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