彼女の自殺。
彼女の自殺は不可解だった。
なぜ彼女が自殺をしたのか、しかも、なぜその日だったのか、一向に分からないままだった。ただ僕にできるのは、警察の調査結果を待つことと、彼女の死を惜しむことだけだったよ。
彼女の死から2日後、僕が学校から帰ると、家のポストに手紙が1枚だけ入ってた。
驚くことに、差出人はヒナだったのだ。
手紙の内容はこうだった。
『親愛なる颯太へ。
颯太がこの手紙読んでるということは、私は無事に死ぬことが出来たのでしょう。
なぜ私が自殺したのか、颯太には教えないと思い、この手紙にしたためさせて貰います。
結論から言うと、私は継父に強姦をされていました。母は知りません。大体、母が仕事の時にされています。母には言えませんでした。母、1人の稼ぎでは弟達を養えないのを知っていたからです。だから、ただ耐えることしか出来なかった...そして私は壊れてしまいました。汚れてしまいました。そんな私を颯太に見られたくなかった。君は小説家という夢を追いかけている間、私はどんどん汚れてゆく、君に置いてかれて、1人になって、心が穴が空いていきました。その穴は一生埋まりません。そして、その穴を埋めようとすると心が、なぜか、むしばられていくのです...
そして今は生きるのが、辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い...
だから、私は今から死にます。
颯太に告白されたの本当に嬉しかった。
さよなら颯太。 ヒナより』
涙で手紙の文字が色褪せていた。
それが彼女の涙なのか、僕の涙なのかは、もう分からない。
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