赤い瞼。

 あの日から、僕は、毎日、彼女の病室に顔を出した。その度に2人で馬鹿話をして、笑いあった。彼女は病気に苦しんでいると思うのに、僕の前では、あの日以来、1度も泣かなかった。しかし、僕は知っていた。

 彼女は僕がいない時に1人で泣いているのだ。

 だから、いつも僕が会いに来た時、瞼が赤く腫れていたのだ。


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