無人島に漂流したら他10人が元カノで⁉

第20話 拭いきれない過去

「好き、なんです。斗真（とうま）のことが……！　（結芽（ゆめ））」

「あ”～……。す、好きね！　こ、この服がね！

いいよね！　おしゃれでね！　お、俺も好きだわ～……」

いま、ここで告られては困る！！

カスミとの一軒もあったし、元カノと復縁なんて無理だろ！

「ち、違う！　わ、私が好きなのは、と、斗真自身のことで……！　（結芽）」

「で、でも。俺、すげ～振り方しちまったんだし……」

「そのことはもう気にしてないの……！　だ、だから私と復縁してほしーなーって……、だめ、かな？　（結芽）」

圧倒的上目遣いっっっ！！！

女子の可愛さを百パーセント引き出す魔法だろ、これ

斗真は女子に弱い。

「でもなぁ～。俺が納得いかないというか……」

「な、なんで！？　私が許すって言ってるんだから良いじゃん！　（結芽）」

「ん～……　！　も、もし、俺が他の子にも告られてるって言ったら、結芽は、俺のことをどうする？　子の告白を無かったことにするか？」

優しい結芽ならどうにかなってくれるはず……！

「それは、もちろん譲らない！　私の方が良いって斗真に言わせる！　（結芽）」

ええええぇぇぇぇ！！

「な、なんで！？　一回別れた相手だぞ！？」

「そ、それでも！　だって、斗真と過ごした日々は忘れられないんだもん……（結芽）」

「俺そんなたいそうなことしたか……？」

「斗真が思っていなくても、わたしにとってはかけがいのない思い出なの！

絶対に！　斗真を虜にして見せるから！」

「で、でもなー。俺は、結芽との思いであんまりないしなー。」

どうだ！　優しさ作戦が駄目なら、幻滅作戦！

「だったら、新しい思い出を作って行けばいい！　斗真！　結婚しよ！　（結芽）」

「イヤ、結婚にすっ飛んでんぞ……」

これはだめだ……

「いたー！　結芽ちゃんとパチンカスー！　（花帆（かほ））」

「花帆ちゃん！？　（結芽）」

「花帆！？」

グットタイミング！　ん？　パチンカス？

「おい、パチンカスって何だよ！」

「パチンカスはパチンカスだし！　（花帆）」

「パチンコはやったことねえよ！」

「結芽ちゃんに手を出した時点でパチンカスだ！　（花帆）」

「花帆ちゃん⁉　何でここにいるの？　（結芽）」

「それはみんな結芽ちゃんがいなくって斗真もいなかったから、みんなで探してたんだよ。なにもされてない？　何かあれば……！　（花帆）」

「だ、大丈夫だよ！　なにもされてないよ！　そ、それよりいつから居たの？　（結芽）」

「斗真の考え方が面白いとかなんだとかってとこ。（花帆）」

「めっちゃ前！　……えっ？　じゃ、じゃぁあのことも……？　（結芽）」

「はい……（花帆）」