第19話 洞窟の偶然

斗真とうまはふと思った……

(別にこいつらと一緒に寝なくてもよくね……?)

……と!



現在PM 11時 32分


(そうじゃん別に一緒じゃなくてもいいんだわ……

焦って損した……毛布もって洞窟行こ。)


「斗真、起きてるの? (結芽ゆめ)」

「おわ! 結芽起きてたのかよ……」

「うん。どっか行くの? (結芽)」

「どうしても寝られねぇから昼間の洞窟に行こうかと……」

「そうなんだ。私も眠れないから一緒に言って良い……? (結芽)」

「うーん……。(花帆かほに殺されねぇかな……)」

「……ううん。ごめんね何でもない。(結芽)」

「……行くんだったら早くいくぞ。カスミ達起こす前に。」

「! うん! (結芽)」



ここにはあまり女子と来たくない……


(カスミとあんまいいことなかったからなぁ……

いや、別に嫌ってわけじゃないんだけど……!)


「斗真、さっきから何赤くなってるの? (結芽)」

「い、いや別に……」

「ふうん? ってかここ涼しいね。なんか落ち着く……(結芽)」

「それ、人間の体温が奪われてるだけらしいから、気をつけろよ。」

「え!? 怖! 初めて知ったんだけど(結芽)」

「……そんなことより、なんでついて来たんだ?」

「そ、それは! (結芽)

(斗真と二人になりたかっただなんて言えない……!)」

「それは……?」

「ね、眠れないなぁと思いましてぇ! (結芽)

(嘘じゃない、嘘じゃない! 本当だもん!)」

「本当にそれだけか? なんか悩みとかじゃなく?」

「え? (結芽)」

「いや、結芽が近づいていくる時って大抵何かある時だろ?」

「う、うん……(結芽)

(やっぱり斗真は私のことをちゃんと見てくれてるんだね……)」

「?」

「……あの、あのね、これは友だちの話なんだけどね、ずっと好きだった人からある日、「お前は遊びだから」って言われて振られちゃった子がいるんだけど、どう思う? やっぱり可哀想? (結芽)」

「う〜ん。可哀想っていうよりかは……」

「いうよりかは? (結芽)」

「そんな奴と別れられてよかったんじゃねぇかな。って俺は少なくともそう思うようにする。」

「思うようにする? 思うじゃなくって? (結芽)」

「おう。だってずっと好きだったんだろ? 自分が悪いわけではないのに、ずっと落ち込んでんのって気分悪りぃなと思うんだよ。俺。」

「……そっか。斗真の考え方は面白いね。 (結芽)

(あなたのことだよ。あなたのことが私は好きなの)」

「っていうか、結芽は優しいな、そんなこと考えてて。」

「! (だめだ、やっぱり抑えれないよ……) (結芽)」

「結芽? どうした?」

「……き、(結芽)」

「なんてった?」

「好き、なんです。斗真のことが……! (結芽)」

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