無人島に漂流したら他10人が元カノで⁉

第16話 志那の本音

「結局ゆずちゃったなぁーハハ…。（志那（しな））」

環奈（かんな）ちゃん言っちゃった…環奈ちゃんは幼馴染でみんなより少し有利かもしれない

それでも負けたくないんだなぁ…そうやって積極的にやったほうが良いのは分かってるけどさぁ。キャラってもんがあるよねー

「私はずーっとボーイッシュでさばさばしててクールなスポーツ系女子だと思われてるからなぁ。ホントはぁ…ホントわっ！」

本当はお菓子作りが好きで可愛いメイクとかフリフリのワンピースとか…髪も伸ばしておしゃれしたいしみんなの前でも泣いてみたいよ…

「斗真（とうま）にも（サバサバしていて女っぽくはない）って言われちゃったしなぁ（志那）」

「そのこと気にしてたのか…？」

「とっ斗真⁉　いっいつから居たの…？　（志那）」

「え～っとゆずちゃったってとこらへん？」

ずっとじゃん！　初めからじゃん！

「そ、そうなんだ…か、環奈ちゃんは大丈夫なの？　（志那）」

「大丈夫だけど…さっきの事良いのか？　話聞くぞ？」

「っ！　（志那）」

そうやっていつもいつもいつも！　無意識でしょお前は！

「別にいいし…あんたに心配されることなんかない（志那）」

「じゃあ俺からのお願いだ。志那の悩み聞かせてくれよ。な？」

「しょうがないな～そんなに言うならね～（志那）」

あっ！　私の頼まれたら断れないという弱点が！

「とっ斗真ぁ！　（志那）」

「良いから良いから、な？　お願いだよ？」

チッ

「実は…」

それから私は斗真に私が可愛いのが好きでみんなに見られてきたサバサバキャラを崩せずに我慢していたこと話した。もちろんかっこいいって言われたり女子に告白されるのが嫌なことも。

「そんなこと思ってたのか…ごめんな…あんなこと言って」

「別にいいんだよ。知らなかっただけだしそれにこのことは誰にも話さないでね？

これからもこのままでいるつもりだし（志那）」

「別にいいだろ人の事なんてお前が生きたいようにすればいいじゃん」

「そうもいかないよ。（志那）」

「そうか…だったら俺が言っちまったことは訂正するわ！」

「え？　（志那）」

「ちょっと来い…！」

え？　何してんの？

「オーイみんな！　ちょっと来てくれー！」

「斗真！　志那ちゃんの腕掴んで何かしてんじゃないでしょうね！　（杏奈（あんな））」

「別にしてねえよ！　良いから来い志那の紹介改めるから！」

「え？　（志那）」

「志那のメリットは人に頼まれたことは徹底的にやるとこだな。デメリットは優しすぎて頼み事は何も断れないことだ！　あとガサツ」

「斗真…（志那）」

「そうだったんですね！　お姉様と一緒です！　（カスミ）」

「杏奈はカスミにだけな…」

「私と一緒かな⁉　（結芽（ゆめ））」

「自分で言っても正解で無駄に容姿が良いのがむかつく…」

「はぁ⁉　結芽ちゃんの容姿は無駄じゃねえよ！　（花帆（かほ））」

「はいはいオタク出てるぞー口悪いぞー夢の前だぞ？」

「うっ（花帆）」

「…（志那）」

何だろうなぁ。あったかいなぁ。嬉しいなぁ。でもな…斗真が他のこと話してるとちょっと嫌だなぁ。そうだね…。もう手加減はしない！

「斗真ちょっと来て？　みんなはちょっと待ってくれるかな？　（志那）」

「志那？」