第15話 奈々さんは甘えん坊

奈々ななが号泣しだしたのはほんの五分前の事。俺はとにかく奈々を気づつけないように落ち着かせた。


「うっひぐっ! ごっごめん…(奈々)」

「大丈夫か? 一人にしないでってどういう意味だ…?」

「ずっと斗真とうまが一人暮らしで引っ越しちゃうのがつらかった… (奈々)」

「は?」

「だって斗真お別れも無しに引っ越しちゃうし電話もつながらないんだもん!

少しぐらいお別れしたかった…! (奈々)」

「そんなことしたらお前またが出るだろ!」

「少しぐらい我慢してよ! (奈々)」

「もういいわ! 他のやつら呼んでくる! 奈々なんか知らん!」

「イヤだ! 久しぶりにやる!」

「お前まさか…本当にじゃ…⁉」


奈々の症状には二通りの物がある…

一つ目は、熱が出たらり少し咳が出てしまうもの。

もう一つは、とんでもない甘えん坊になること

奈々はいまだに一回も咳をしていない…つまりはあれだ!


「え~っと今日は斗真の膝で寝させてくれないとやだっ! (奈々)」

「え~っとじゃねえ! 一回考えんな!」

「ほら! 早くしてよ~! みんなきちゃうよ~! (奈々)」


こうなったら誰にも奈々は止められない…

※奈々のおばあちゃんは別


「くっ五分だけだぞ…」

「やった~! 久しぶりの斗真だ! ふへへへへへ! (奈々)」

「ただの変態じゃねえか…」

「すーぴーすーぴー(奈々)」


もう寝てやがる


「ハハ。こっちの気も知らずにのんきな奴。」


…そろそろ五分か…

ぐっすり寝てるしこのままのほうが良いか…? でも! 駄目だ甘くしちゃ!


「おい、奈々…」

「そろそろ五分だね…起きた起きた(奈々)」

「自分で起きるなんて…」

「そんな顔しないでよ…私も少しは大人になったんだから。でも…(奈々)」

「でも…?」

「もう一個だけ聞いてもらおうかな! (奈々)」

「はぁ~。いいよだめつってもどうせ聞かんだろ」

「…そうだね。じゃあ失礼しまーす! (奈々)」

「失礼?」


はっ⁉ か、顔! え? なに? 失礼するって口づけ? キス? そのこと?

でも待て俺そんなフラグいつ建てた? そうだ! こいつ俺のことが好きなんだわ!


「ちょ! まって!」

「ふふなーんてねー。斗真はもう少し後にしよっかなぁー(奈々)」


こいつっ! 遊びやがって! 俺がまだおなごとキスをしたことがないから!

※斗真は女の子のために付き合っていたので手を出したりはしていません


「だからぁ今回はここで我慢してあーげるっ! (奈々)」


ほっぺにキッスゥ⁉ 一回しないと思わせてからハードル下げてやりやがった!


「あれぇ~? 斗真顔赤いよ? お風呂もっ所に入ったことあるのに~(奈々)」

「あれは家の浴槽で水浴びしただけだし! 水着来てたわ!」

「わ~覚えてるんだ~(奈々)」

「うるせえ! 治ったんなら俺はもう行く!」


んだよアイツ。昔よりもかわいくなっただけで!

別にかわいくねえしぃ? まだちびっこだしぃ? …俺は誰に言ってんだ


「斗真も可愛くなったなぁ~(奈々)」


この斗真争奪戦には幼馴染の名に懸けて絶対に負けない!

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