第6話 訳…

「…」

「…(カスミ)」


いや気まずっ! カスミと何話したらいいのか分からん!

俺にはもったいないぐらいのいい子でひどいことしてビンタされて別れてそれ以来あってない!


「あ、あの斗真とうまさん…」

「はっはひぃ⁉」


やべっ変な声出た


「その…斗真さんほどの人気者がなぜあんなに彼女を作り替えたりするのでしょう」

「それは…」

「すみません…、こんなこと聞いてしまって」

「ううんこっちこそごめんね。ちゃんと話すよ。実は…」


俺の家は母さんが早くに亡くなっていて、それまでしっかり働いていた父さんが壊れたようになって女癖が悪くなった。毎日のように違う女の人を連れてきて、しまいには俺の学校の生徒にも手を出すようになった。それで、うちに女の子が近づかないようにそこの一帯で有名な子と付き合ってひどい振り方をして、うちには近づないほうが良いという噂を作った。だけど付き合えるようにモテるように頑張ったらどんどん女の子が来ちゃって逆効果という結果になった。


「そんなことが…(カスミ)」

「結局カスミと杏奈あんなには振られちゃったけどな…。」

「いえ! すみません。立派なことだと思います。(カスミ)」

「へ?」

「相手のために自分を犠牲にできるんですもん。そう簡単にできることではないですよ。(カスミ)」

「ありがとう。でもカスミにはほんと悪いことしたよ。フリとはいえ年頃の女の子強引に連れ歩くなんて…。」

「それも訳があってのことですから。私今でも斗真さんのことが大好きです…! (カスミ)」

「え?」

「あっ! \\\ (カスミ)」


「あっ! 杏奈ちゃーん! 二人ともいたよ! (心菜ここな)」

「! カスミ! 心配したのよ! アイツに何かされてない⁉ (杏奈)」

「その言いようはないだろう…」

「大丈夫ですお姉様…(カスミ)」

「あんたもこんな中出て行って迷惑かけるなんて馬鹿なの⁉ (志那しな)」

「早く戻って来なさい。晩御飯も作ってあるわ(桃香ももか)」

「お前らぁ! ありがとぉ!」

「何泣いてんのよ! 気持ち悪い! (桃香)」

「ヒドッ!」

「斗真! カスミちゃんに助けてもらったんだったらお礼言いなさい! (結芽ゆめ)」

「えっと…ありがとうカスミ」

「いっいえ! 無事で何よりです! (カスミ)」


なんかはじめよりも気まずくなってる気がする!


「斗真さっきから顔色悪いよ? (綾菜あやな)」

「早く帰りましょうよぉ。お腹すきましたぁ(環奈 《かんな》)」


環奈ナイス! あのことは絶対ぇバレる訳にはいかねぇ!

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