第4話 単なる偶然?

「なぁあのさ。」

「なに? (綾菜あやな)」

「お前ら十人に質問? があるんだけど……」

「何よ。もじもじしてないで言いたいことははっきり言いなさい。(桃香ももか)」

「いや。そうなんだけど、」

「遠慮はいりませんよ? (結芽ゆめ)」

「じゃ、じゃあ。その。さすがに、俺の元カノが十人同じ船に乗ってて、

そこから一気に漂流はなくね?」

[[[[[[[[[[!!!]]]]]]]]]]


(言えませんわ…… (桃香))

(いえない。そんな恥ずかしいこと! (心菜ここな))

(言ったら絶対ひかれちゃうよー! (環奈かんな))

(どうしよう。こんなのバレてしまったら! (結芽))

(こんなこと言ったら逆にからかわれる! (志那しな))

(どうしましょう。絶対に口には出せません…… (綾菜))

(何でこいつこんなに鋭いんだ⁉ (花帆かほ))

(う~ん。これ言ったらダメな奴だよね? (奈々なな))

(こんな窮地に追い込められるなんて! いえる訳ない! (杏奈あんな))

(どうしましょう。言ったら大変なことに…… (カスミ))


((((((((((斗真とうま(さん)を追いかけてここにいるだなんて!))))))))))


(だって他の子たちはただの偶然なのよ⁉ (桃香))

(ここで言ったら他の人たちにも斗真にもちゃかさるれる! (志那))

(なんとしてでもごまかさねば! (環奈))


「おーい。お前ら聞いてんのか? 人がまじめな顔して話してる時に……」

「聞いてますよーぅ。さすがに偶然では? 違ったらあなたの事追っかけてるみたいですよーぅ。(環奈)」

「そうだよなって環奈お前さぁまだ寝起き気分な訳? いい加減目覚ませよ」

「べッ別に! 寝起きじゃない! 今なら足し算だってできます!」

「二+三十九は?」

「バカにしないでください! 四十です!」

「四十な。」

「ぐぬぬぬぬ。 繰り上がりはどうしてこうも難しいの!」

「それは環奈ちゃんがおかしいと思いますわ……(桃香)」

「とにかく。みんなこれはただの偶然なんだから、この話はおしまい! (志那)」


(志那ちゃんナイス! (心菜))


偶然? こんなこともあるんだなぁ~。


「とりあえず、ごはんの準備をしませんか? (カスミ)」

「そうだな。でもこんななか、何を食うんだ?」

「私! お魚が良いです! (環奈)」

「それじゃレパートリーも少ないし、調理も難しそうだぞ?」

「魚でも、焼く、煮る、干す、お刺身と色々ありますわ…じゅるり……(桃香)」

「そっと食いしん坊を出すのをやめてくれないか?」

「別にあなたに関係ないわ! うるさいわね!」


でもな。さすがに偶然はないだろ…


「なぁ。ホントに偶然か?」

「! もっ! もうその話はやめようよ! (綾菜)」

「は? 何で?」

「たっ! 単なる偶然な訳だしぃ! (結芽)」

「お前らさっきから焦ってね? とりま船に乗ってた理由ぐらい言ってくれよ。」

「そんな問い詰めるんですの⁉ 別に何もありませんわ! (桃香)」

「なら別にいいよなぁ。さっさと話してくれ。」

[[[[[[[[[[ぐっ!]]]]]]]]]]


やっぱり単なる偶然じゃなさそうだ…

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