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Z「十月になって十日がすぎました。そろそろ、この作戦会議企画を完結させようかと」

A「一回、ふわっと完結させた気もするんすけど」

Z「数字が伸びていたのでちょっと反省会を、と欲をかきまして……」

A「公開でガチなやつは書かないんでしょうけどね」

Z「次回作以降でやりたいアイデアとかは、さすがに書けないですね」

A「塙さんの本は?」

Z「それは書きましょう。『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(ナイツ 塙宣之 聞き手 中村計/集英社新書)が面白かったんです。お笑いの賞レースの分析をしていて、コンテストで勝った人たちにはどんな共通点があるのかとか、コンテストの特性とか、関西と関東の文化の違いとか、しゃべくり漫才とコント漫才の違いとか、もっと踏み込めば“賞獲るためにお笑いやっているの?”とか“M―1で評価される面白さに寄せることは自分たちのお笑いの良さを消すことになりはしないか”みたいな話……」

A「これはこれで一本、エッセイ的なの書いたらいいじゃないですか」

Z「版元が……KADOKAWAさんでは……」

A「もう【世界短編傑作集を読む】やっているんですから、今さら尻尾振ろうたって手遅れですよ」

Z「いや、もっとジャンルについて勉強しようとなりましたね。受賞とならなくても、選考過程で編集者の人に引っかかるような面白いものをつくろうという考えも強くなりました」

A「松本清張読み直してみたら実はホラーなんじゃないか説は? SF映画の傑作群ほぼホラー説は?」

Z「書いてもいいですけど、長くなりますから」

A「清張の一度助かったと思わせてからの容赦のなさは怖い。SF映画の映像は怖い。以上」

Z「簡潔にどうも。映像もそうですけど、SFはどこか思考実験的な側面があるように感じて。空想を挟むことで従来の科学の枠が外せる。どこか踏み外した世界が表現できる。倫理が歪んでいく感じがとても怖くて」

A「SFも勉強しましょう。あちらの世界も本格ミステリ界隈と同じく過激派というか怖い人がいるみたいですから、お気をつけあそばせ」

Z「来年、SFを書かせるつもりですね」

A「実験ですよ。ではまた来年、お会いしましょう、でいいんすよね?」

Z「うーん、よくはないんですが。お付き合いいただきましてありがとうございました」

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