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Z「うまくいかないもんです」

A「そういうものでしょう」

Z「いや、この日はこの時間からこの時刻まで書けるぞ、と算段していても、いざ当日になると……」

A「まぁお仕事とか家のこととか、いろいろありますからね」

Z「あとやる気」

A「そこはやりましょう」

Z「やり出せば、やる気になってくるのはわかるんですけれどねぇ。前みたいに〆切前にワクワクしないというか」

A「前はワクワクしてたんですか」

Z「ほめられたことではないんですが、ずっと前はもう〆切前日の夜に帰宅してからギリギリまで書いて、推敲せずに書き上げたものを印刷しながら仮眠して、出勤途中にポストに入れてみたいなことをやっていたんです。あのときのヒリヒリ感はないですね」

A「ないほうがいいですけどね」

Z「まぁ一応、原稿あるし、推敲はしたし、直しも入れたし、こだわればいつまでたっても加筆修正なんてできるんだよなぁ、と、どっか冷めている。前みたいに“もう直すところがない。これで受賞だ”みたいにならない。どこか現実というか自分の力量が見えてしまっている」

A「悲しいですね」


・・・・・・・・・・・・・


A「そういやプリンター直ったんですか」

Z「不機嫌です」

A「買ったら?」

Z「お金が……」

A「じゃ、WEB応募ですか」

Z「そうします」

A「カクヨム応募は?」

Z「抵抗あるなぁ。PV(閲覧)数を集めないと選考スタッフに読んですらもらえないような気が」

A「そんなことありますかね。まだ、そんな膨大な応募数ではないですよね。これが数が増えてきて、質の低い作品が増えてくると、ゆくゆくはそうなりそうですけど」

Z「実はPV数って信用していないんですよ、あんまり。作品が面白いから読まれているってわけでもないでしょう。これだけ公開作品があると、読まれていないけれど面白い作品もいっぱいあるでしょう。埋もれてしまうんですよ」

A「逆もあるぞって含みを持たせましたね」

Z「あんまりネガティブなことは言いたくないですけど、ページを開かれた回数は多いけれど、クオリティはそうでもない作品もあるはずですね」

A「人気作がどんどん人気になっていくのはわかりますよ。これはカクヨムに限らないすけど」

Z「バズるってありますよね。あの現象の正体って後半はほぼ“ほう、こんなのが人気なのか、どれどれ一つみてみよう”っていう軽い好奇心の集積じゃないですか。さほど興味のない人が支えている“数的優位”だから、すぐに消える」

A「現状、一定以上のPV数を叩き出すには内容ではなく、刺激的なタイトルで釣るか、営業に走るしかない。そういうことなんですかねぇ」

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