47・46
A「ホラーとミステリの相性は、いいのかもしれませんね」
Z「どうでしょうね。ビックリ系だけがミステリではないですから」
A「驚かせるだけがホラーでもない気はしますが」
Z「ビックリというワードで、真っ先に頭に浮かんだ作家はクリスティなんですけど、あの人って密室とかアリバイとか、作中の犯人のトリックよりも作品全体に作者が施した仕掛けにビックリみたいなものの印象が強いでしょう」
A「はいはい、『○○○○○○○の○○』とか『○○○○○○○○○○○』とかですね(註 具体的な作品名のため伏字)」
Z「仕掛けだけじゃないですからね。トリックだけじゃないですから。ロジックを積み重ねると謎が解けてしまう驚き、そんなことが糸口になるのか、という驚きはいいものですよ。震えます」
A「そういうロジックの要素も入れたいと? いいですよ。やれるもんならやってみろ、です」
Z「難しいのはわかっているんです」
A「わかっているから、さっきの言い方になったんです。でも、“SAW”ってミステリというか、パズルのピースがはまっていく感じはありますよね」
Z「後ろから逆に書いているな、ということはわかります」
A「例の真相があって、それを成立させるため、ラストで効果的に驚かすために、じゃあなにが必要かを考えて前半からパーツをばらまいている。そういうことですね」
Z「前半というか冒頭からですね。もしかしたら、“密室に足を鎖で繋がれて動けない二人の男がいて、二人の間には自ら頭を撃ったらしき血だらけの男、二人はどうやって脱出するか”から始まっていたとしても、そのうえで一度、“このエンディングが一番面白いね”になったとしても、もう一回、ラストを効果的にするために最初から書き直すという作業はやっているはずです。ホラーの作り方がわからないんであれですけど、SAWという作品の作り方は、もう完全に本格ミステリの手法ですよ」
A「ホラーの作り方ってどんなんだと感じてますか?」
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