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A「いろいろ考えるんですね。脳のリソースを原稿にむけませんか。なんかむなしいですよ。傾向と対策を考えるのが嫌とか言いながら、獲った後を考えるなんて」

Z「すみません。でもですねぇ、獲っただけで消えちゃう作家さんも多いじゃないですか」

A「競争ですからね。出版不況ですし」

Z「もう出版不況でもない気がしますよ。ただ、この国が貧しくなってきているだけなような……」

A「経済的に?」

Z「文化的にも、ですけど。お金がないから、文化にお金がつかえない」

A「本を買う人って、減ってきているんですかねぇ。買うでしょ?」

Z「買います。でも、量は減ってきていますね。読む力が衰えてきたのもあるし、いろいろ自分のお金が見えてきてしまった部分もあるし」

A「賞獲って、賞金もらいましょう。ヒット作出して印税生活。映画化でウハウハ。文化人枠でタレントになってテレビに出ましょう」

Z「あー、馬鹿にしてますね」

A「モチベーションをあげて上げようという善意でしかないのですが」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


A「どうですか、その後?」

Z「言いにくいんですけどねぇ、書いていてつまらないんです」

A「プロットが悪いと?」

Z「うーん、ざくっとしたお話の出来がどうこうではなくて、もう少し細かいプロットでないと、こちらのないに等しいホラースキルでは書けないんですよ」

A「スキルを上げる努力はしてますか」

Z「岡本綺堂とSAWのノベライズ」

A「半七捕物帖はホラーじゃなくて、ミステリでしょ」

Z「いや半七じゃないんです。青蛙堂鬼談というシリーズものらしいです。ちょっと読んだだけでは『雨月物語』に近いテイストかなぁ」

A「SAWって、あのシリーズですか? ソリッドシチュエーションホラー?」

Z「よく知らないんですが、たぶんそうです」

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