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Z「理想はそうですかねぇ(遠い目)」

A「理想はデビューして、仕事が切れないことじゃないんですか」

Z「あはは、目標は高く、ですかね」

A「賞を獲ることと、作家として生き残ることは別ですからねぇ」

Z「よく考えると地獄だなぁ。新人賞の競争を潜り抜けてきた人たちと闘うんですよね」

A「とらぬたぬきのなんとやら」

Z「でした。でも、理想をいうなら、デビュー後の競争が有利になるような作品で新人賞を獲るのがいいじゃないですか」

A「もう一度、言ったほうがよろしいですかな、とらぬ……」

Z「はいはい。でもですね、たぶん、デビュー作と同じ主人公のシリーズのほうが売りやすいと思うんですよ。売れやすい、かな」

A「さすが、元編集者志望。KADOKAWAさんも落ちたんでしたっけ」

Z「今、振り返ると受からないですよ。だって、センス古いですし、発想力もないですし。今みたいにラノベ市場が活況になるなんて想像もできなかったくらいで」

A「でも、受賞作の版元さんならばシリーズでいいですけど、他の出版社だと別の企画を立ち上げないとダメでしょ」

Z「第二作、デビュー作の“次”がヒットしないと、他では書かせてもらえないんじゃないですか。デビュー作によほど惚れこんでくれる編集者がいない限りは」

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