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A「あるんですよ。“ちょっと様子を見に行ってくるよ”と言って出て行ったやつ、次に会うときは死体説とか」

Z「あぁなんかわかります。お人形を抱えた誰ともしゃべらない三つ編みの女の子いがち、とかですか」

A「はいはい、その子が主人公の背後を指差して、振り返ると誰もいなくて、向き直ると女の子が消えている、みたいなね」

Z「そういうときに消失トリックか、となるのがミステリマニアなんです」

A「病気ですよ、それ。ホラー映画で密室トリックを考えるやつお薬必要説」

Z「説とかいうと、急に尖った民放バラエティ番組っぽくなるのなんでですかね」

A「さぁ。あの番組見てるんですか」

Z「いや、でも聞こえてくるんですよ。浅草の大御所漫才師の不仲を茶化すとか、わざと後輩に自分の悪口を言うように説教するとか、企画が物議を醸していることは」

A「知らない人、番組そのものの外まで響くと、世間に伝わっていくんですね」

A「ところで原稿は進んでいますか」

Z「なんともまぁ苦戦しております」

A「打ち合わせの雑談が盛り上がるとき、原稿の進捗がはかばかしくない説。検証しますか」

Z「しなくていいです」

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