第三十五話

 深夜、Hさんが近所のコンビニにふらっと買い物しにいったときのこと。


 自動ドアが開き、暗闇から明かりに溢れる店内に一歩足を踏み入れると


「いらっしゃいませ~」


 ・・・と、若い女性の声がレジカウンターの方からした。



 レジをみても店員は一人もいない。

 商品棚のまえで品出しをしている店員は、皆どこからどうみても男だった。


 なんの変哲もない「いらっしゃいませ」の一言だったが、Hさんは声をかけられてから鳥肌と寒気が止まらなかった。

 気味が悪くなり、なにも買わずに帰ったという。

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