第二十六話
台風がやってきたあるとき。
小学生だったBさんは、電話に出た家族から受話器を受け取り、クラスメートとなにか話していた。
すると、電話も切らずにBさんは嵐のなかを飛び出した。
家族の者も思わず後を追いかけたが、強烈な雨風のなかで姿を見失ってしまった。
嵐のなか、町の人たちが捜索すると、すぐに見つかった。
神社の境内でBさんをはじめ、いなくなった子供たち数人がぼーっとしていたそうだ。
その後、彼・彼女らはこっぴどく怒られたが、覚えているのは「電話に出たこと」と「さんさんと太陽が輝く境内で、かくれんぼをしていたこと」だけだった。
ただ、発見された誰もが「誰と一緒にかくれんぼをしていたのか」は、全く覚えていなかったそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます