(完結)解説(かいせつ)
ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。このストーリーには、「叙述トリック」という罠(わな)を仕掛けています。叙述トリックは、ストーリーに巧みなトリックを入れ、読者をミスリードした上で、最後の最後で事実が明かされる(読者からすると、「えーーっ、そうだったの!」ものです。(本ストーリーの場合は、第1話の日記の書き手が「女子中学生」と思わせといて、次からはその書き手が「中学のおっさん校長」だったというトリックです。
第1話は、中学生(か高校生)の女子の日記を描写しているとミスリードしています。しかし、この日記の作者は、第2話以降で明かされる、オッサン校長先生の日記です。S校長は、良い年こいてるくせして、まるで女子のような日記を書いていたのであります。自分のことを「あたし」と称するS校長は、同性の男児にしか興味を持てない特殊な性格でした。
S校長は、入学してきたM君と出会い、一目惚れをします。自分の初恋の気持ちを伝えるため、髪型を変えたりした後、M君に告白します。しかし、M君から返ってきた言葉は、想定と真逆な、酷い罵(ののし)りでした(第5話)。
S校長はそのショックに対応できず、体調不良で休学します。とてもじゃないが、日記を書くような状態ではありませんでした。そして翌月の5月22日に、校舎から飛び降り、自ら命を絶ちました(第2話)。
第3話以降は、この事件に興味を持って取材をしたマスコミの記事を描写しています。亡くなったS校長の性癖や、同校の教員が見た印象、そして被害(?)にあったM君の悲しい言葉がつづられています。
このストーリーは、日記の書き手は女子中(高)学生であろうとイメージさせておいて、実はいい歳こいたおっさん校長先生だった、という叙述トリックを使ってます。同時に、告白された男子の戸惑いを、雑誌記事として描写しました。
一度読んだだけでは分かりづらいかも知れませんが、ネタバレした上で、もう一度最初から読んでいただくと、「はっ、そうきたのか」と思っていただけると思います。
繰り返しになりますが、ここまでお読みいただいた皆様に、心から感謝いたします。(tata_tata)
A diary 叙述トリック大好きギャル…満74歳現役女 @tata_tata
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