第1章-4 出会い4
とりあえず、人間の身体に戻っているうちに、少し身体を清めておいてあげようと思い、リアムは客間に続くバスルームの湯船に湯をためつつ、彼をバスルームに連れて行こうと身体に手を伸ばす。
本当になんと美しい。
しみひとつない透き通る陶器のような肌はしっとりと滑らかで、いつまでも触っていたい心地になる。胸の突起も小さくピンク色で、寒さのためか少しツンと尖っていた。リアムはむしゃぶりつきたい気持ちをグッと抑えて、身体を抱き起こしてバスルームに運ぶ。バスタブにつけようと身体を隠していた、リネンをとると、下から現れた彼の股間には身体に似合った可愛らしいサイズのペニスがプルンとあらわれた。うっすらとした下生えの中のまだ少年のようなそれは綺麗なサクラ色で、陶器のような肌と相まって、まるでギリシャ彫刻のアドニスを思わせる。
ゆっくりとバスタブにつけ、肌に優しく湯をかける。シロウは「う……ぅん……」と小さなうめき声あげながら、小さく身体を揺らした。
湯の温かさで少し血色の良くなった肌と顔色に少し安心しつつも、いっそ艶かし様子にリアムの股間は痛いほど張り詰める。下心なく、身体を洗うつもりだったがこれはこれで拷問だ。
風呂からあげると、手早く身体を拭ってやり、再び寝室のベッドに横たえた時に気づいた。
股間にあるべきものが、ない。ペニスはあるのだ。しかし、その下にあるべき睾丸がない。そこで気づいた。彼が隠したかったのは、これでは無いかと。
これ以上本人の意思と関係なく、身体をあらためては失礼だと思い、布団をかけてやる。風呂に入れたおかげか、顔色が少し良くなった気がする。
額にかかるサラサラとした黒髪を除けると一瞬眉根を寄せたあと、すうすうと寝息を立てて寝ていた。
とりあえず、具合は悪くなさそうだ。
リアムは部屋を出て、再び自分自身でその昂りを鎮めることにする。
『あぁ…いい……もっと……』
たまらなく気持ちがいい。シロウは胸を這う愛撫に身を任せる。
自分の股間のものも立ち上がり、切ない雫を先端から滴らせていた。
『奥……奥にちょうだい……』
下に入っている熱いもので疼く奥を掻き回してほしくてたまらない。
小刻みに揺すられ、打ちつける腰の動きにシロウの口からあられもない喘ぎが漏れる。
『あ、あああん…… あぁ、あ、あー……』
一際大きく、引き抜かれると一気に腰が打ちつけられ、最奥を穿った。
その瞬間、シロウは性を放っていた。
はっとして、ベッドから飛び起きる。
今のは何だ……あんな!あんなことしたことないのに。
まだ、心臓がバクバクいっている。自分の股が濡れていることに気づき、恥ずかしさで消えたくなった。周りを見渡すと一度目が覚めた時と同じ部屋だとわかる。ただ、彼は居ないようだった。
起きて帰らないと。
服も持ち物もこの部屋には無い。起きあがろうにも股間が濡れていて気持ち悪い。何が起こったのか全くわからない。涙が出てきた。
「う……うぅ……」
扉がノックされ、男の声がする。
「大丈夫か?入るぞ?」
「駄目!!入らないで!!!」
シロウは酷く狼狽える。
部屋の中から、不安と涙の匂いがする。リアムはいてもたってもいられずに、扉を開けて中にはいる。
シロウは入ってきた男を睨みつける。自分の身体を暴いたであろう男に嫌悪の視線を向けた。
リアムは部屋に入った瞬間、微かな性の匂いを嗅いだ。ただ、シロウの全身から恐怖と拒絶と嫌悪の匂いがする。
「落ち着いて。なにもしないから。危害を加えるつもりもない。具合は良くなったか?」
「今すぐ、ここから帰して……お願い……。」
ぼろぼろと涙をこぼして怯える彼は酷く幼く見え、リアムの保護欲を掻き立てる。彼の望みを叶えてやりたい気持ちになる。しかし、そういうわけにはいかない。
「すまないが、それは出来ない。」
落ち着かせるように優しく声をかける。
「どうして……?」
シロウは絶望感でいっぱいの表情になった。
「事情が複雑なんだ。説明するから服を着なさい。」
そう言うとリアムは真新しい洋服を部屋のソファに置いて、部屋を出て行った。
リアムが立ち去ってから、震える身体に鞭をうち、立ち上がる。濡れているのはペニスだけではなかった。股の間からつーと垂れたものに気づき、ペニスの後ろの本来ふっくらとした睾丸がある部分にある、うっすらとした膨らみの上の小さな割れ目に手を這わすと、そこもぐっしょりと濡れていた。驚きと羞恥でどうにかなりそうだ。
こんなこと、今まで無かったのに……俺の身体はどうなってしまったっていうんだ。これまで何も無く、特に気にすることもなく、27年間過ごしてきたのに。そう思うとシロウは不安にまた涙が出た。
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