8.カスパール Ⅱ
「ん・・・うう・・・」
「キッカ!!気が付いた?」
蛮族の落とし穴から救出された、魔術師の女性が目を覚ます。
依頼人レーゼルの魔法学院での同期の女性だ。
(これで全員意識を取り戻したな)
キッカ「う・・・レーゼ・・ル?あなたが助けてくれた・・・の?」
キッカ「調子によって深追いしすぎたわ・・・」
レーゼル「ごめんなさい、無理にでも出発前に私の話、聞いて貰えばよかったわ」
レーゼル「以前、この辺りに住んでいた蛮族が狡猾でね。いまだに発見されていない罠が多いとは聞いてて」
レーゼル「今は、ゆっくり休んで。ここからならモモの村の方が近いわ、一緒にいきましょう?」
キッカ「いえ・・・大丈夫、依頼元の村に報告もあるから・・・」
キッカ「仲間と一緒に、そっちに帰るわ」
キッカ「レーゼル・・・」
レーゼル「ん?」
キッカ「ありがとう・・・」
レーゼル「そんな、私はなにも・・・」
戸惑うレーゼルと目が合った。
うなずいて見せる。
レーゼル「うん、気を付けて・・・帰ってね」
安堵した表情。出会ってから、初めて見た彼女の表情だ。
「え~お前ら帰るの?モモの村で一緒に飯食おうぜ!?」
「依頼してる村がほら、きっと心配してるからドンキィ。引き留めるの辞めなよ」
呑気に言いたい放題のドンキィと、それを必死にとめるアンバー。
その様子を見て、俺たちはもう1度目が合い、そして今度は笑いあった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます