7.ドンキィ Ⅱ

魔法使いの親分がやられた途端に、他の蛮族どもはビビッて逃げてってくれて本当に助かったぜ。


ミシオネールの怪我も治したし、よし、まだ余裕があるな。

穴に落ちた冒険者たちも、魔法で手当てできるかも。


キッカの仲間の戦士「蛮族たちを倒してくれたのか?」


ドンキィ「おう!今、ロープを下すからな。上がって来れるか?」


穴の中を見下ろすと、両脇に気を失った仲間を抱えた戦士がこちらを見ている。

泥水と流血で表情がわからない。


戦士「ああ、仲間の2人が気を失ってるんだ、先に引き上げてくれないか?俺は一番最後でいい」


レーゼルさんの友達の魔法使い(キッカだったかな?)が、まず引き上げられた。

顔も頭も外傷はない。きっとあの戦士がかばってたんだな。


(結構いいやつじゃん)


神官剣士もバックラーで身を守ってたらしい。

盾はぼこぼこになってるし、腕の骨が折れてたけど。

頭部には怪我はしていないな。


最後に引き上げらえた戦士のあんちゃんが、やっぱり一番ひどかったな。


戦士「あの2人は、目を覚ましたか?う、血が目に入った」


ドンキィ「あ、泥だらけの手でこするなよ、もっと見えなくなるぜ」


戦士「うぐぅ!?しまった・・・」


ドンキィ「あはは」


あのキッカって魔法使い、仲間に恵まれてるなぁ。

前見た時、感じ悪かったけどもっと話すとそうでもないのかもな。


戦士「助かったよ、改めて礼を言わせてくれ。

   ハーヴェスに帰ったら、一杯奢らせてくれ」


ドンキィ「マジか!?お前ほんといいやつだな!!(背中バン!!!)」


戦士「グホ・・・!?ゴホ・・・」


ドンキィ「あ、やべえ!わりぃ!」


そういえば、俺も師匠から治療中に背中たたかれまくったぜ。


具合悪くてもバンバン話しかけてくるし、


返事できないくらい苦しいのに「おい、聞いてるのか!?」って怒り出すし、


暑くておっかない男だぜ。


ん、俺も師匠みたいになんのかな?


仲間の3人には、やらねえようにしねえとな(笑)

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