4.アンバー・ホップ

今回の開拓予定地の調査は、きっと順調。


それはレーゼルさんの表情を見ててもわかる。


動植物や、地形、薬草の群生地とか僕たちが気付いたことを次々に整理して、報告できる情報としてまとめてた。


その時の表情が、嬉しそうで少し安心。


そしてさらに僕たちは草原から移動して、崖を上って森の方まで来てる。


農地にする予定なのはさっきの草原までだと思うけど、小川の上流の方だし少し見てみたいって。


そして目の前には、綺麗な泉。水底が見えるくらいの澄んだ水。


レーゼル「ここが小川の源泉・・・」


泉の周りには、僕の背よりも大きい岩が。


木々の枝の陰で、岩にはコケがたくさん生えてる。


カスパール「泉と・・・あの大岩から魔力を感じる」


カスパールのマギスフィアが変形し、ゴーグルのかたちになってる。


ホップ「便利だね、僕の魔法だと対象物を1つに絞ってかけなきゃならないのに」


と言いながら、大岩や泉に足早に近づいてしまう。


好奇心に勝てないのもあるし、久々に野外で日の光を浴びたせいもあるのかも。


ずっと部屋にこもっていたら、こんな経験はできなかった。


一同:コロコロ・・・(探索判定でさいころを振る)


GM「おや、コケでおおわれていてわかりにくかったけど、大岩の表面に綺麗な直線のくぼみが。」


直線は綺麗な長方形を描いている。


GM「人が一人通れるくらいの長方形ですね。隠し扉です」


扉はどうやら押せば開くみたい。


ミシオが、色々な道具で岩の周りを念入りに調べながら教えてくれる。


レーゼル「未発掘の遺跡かしら?」


GM「冒険者ギルドに報告すれば、情報料は貰えるかもしれませんが・・・」


ドンキィのPL「これ、今の俺たちで探索は無理だろうなあ」


GM「そうですね、この遺跡探索は別のセッションってことで。レーゼルも黙っててくれるそうです」


それにしてもこの扉は・・・地下に繋がってるのかな。


通路の中を見られればどの時代のものかわかるけど・・・


優しい男性の声(魔法文明語)「帰りなさい、ここはあなたたちが来ていい場所ではないよ」


GM「この中だったら、ソーサラーのホップ君が言葉がわかるね」


GM「突然、全員の頭の中に声が響きます」


優しい男性の声(魔法文明語)「帰りなさい、ここはあなたたちが来ていい場所ではないよ」


ドンキィ「おい、そこ光ってないか?」


扉を調べているミシオネールのすぐ両脇、光は素早く円となり見覚えのある文字に。


GM「地面に浮かび上がった魔法陣から、2体の木で出来た人形が現れます!!」


人型と、4足獣の形・・・素材は木?操霊魔法で作られたゴーレム!?


レーゼル「ゴーレム?この遺跡の防衛機能、現在も生きてるんだわ・・・」


確か現代解明されているゴーレム創造の魔法では、ゴーレムが状態を保っていられるのは1日だったはずだ。


何千年も前に滅んだ魔法文明の魔術師たちは、一体どれほどの魔力があったんだろう?


カスパール「ホホホホップ、見とれてる場合じゃない!!オオカミ型のゴーレムから倒すぞ!!」←昔オオカミに森まで引き釣り回されたことがある。


落ち着いた性格のカスパールが珍しく焦っている。こういう顔もするんだね。


僕はうなずいて、意識を集中させた。


ホップ「真、第一位の攻ヴェス・ヴァスト・ル・ヴァン・・・」


GM「さて、そろそろリアルな時間で2時間半経つので、ゴーレムとの対決は後半戦で♪今日はお疲れさまでした!!」


一同(笑)


ドンキィ「うぉー!いいところで!」


ミシオ「気になる!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る