大人のれでぃ。
第二陣。つまりハンティングリィンカーネーションに初期ロットのプレイヤー以外にも人が入って来たという事だ。
夕方に排出されるとは何とも難易度が高いと思いながらも、俺は広場に駆け付けて
しかし良く考えれば、難易度についてはトントンか。俺達は朝から試行錯誤出来たが、
それに比べたら『困ったら教えてくれる先輩』が居るフィールドの、なんと生易しい事だろうか。
代わりに夕方スタートくらい目を潰れ
さて、俺達初期ロットを第一陣として、俺達は
少し前までは自分達もああだったなと、泣き喚いたり呆然としたりする人々を見て自分の成長を感じていた。
まぁ俺は最初から楽しんでうぇーいしてたんだけども。狩り暮し最高だよね。
『家に直帰かと思いましたけど、新人様たちが気になるので?』
「いや? プレイヤーが気になると言うか、二陣にもチビッ子プレイヤーが居るのか確認してるんだ」
俺が二陣の到着を見守ってる理由はそれだ。親と一緒に死んで此処に来たならまだ良いが、一人で来た場合は可哀想な事になるのが目に見えてる。
『アキラ様は、子供には優しいですよね』
「優しいと言うか、それが大人の責任だろ? 俺だって子供の頃は大人に面倒を見られてたんだからさ。…………いや待てにはってなんだよにはって。ミクちゃんにも優しいだろ俺は」
もちろん自分に余裕が無ければ「知るかボケ」と見捨てるが、今ほど余裕が有るなら話しは変わる。
『ふむ。つまりアキラ様の中でプレイヤー・ミク様は大人であり、プレイヤー・シャト様は子供だと』
「……それ今、重要か?」
何やらレティがズレた事を言うので呆れてると、背後から肩を叩かれる。
「…………それは、聞き捨てならない。シャトは大人のれでぃ」
「ひぅッ!? まっ、どっから沸いた!?」
俺の肩を叩いた人物はシャトだった。背後から突然シャトに声を掛けられ、俺の心臓は縮み上がった。
「湧いてない。普通に歩いて来た。それより、訂正を要求する。シャトは、立派のれでぃ」
「あー、うん。そうだな、悪かったな。シャトは大人だ」
この年頃なら、子供扱いは嫌がるだろうと思って言われた通りに訂正すると、それを聞いたシャトがニマーっと笑って俺の腕に抱き着く。
「だから、子作りも出来る」
薄い胸でも女の子に押し当てられたらそれなりに気持ち良いのだが、流石に中学生はマズイですよと引き剥がす。
「いやいや待て待て、いつそんなフラグ立てた? ラブコメ的なイベントとか別に無かっただろ、俺ら」
「もう、フラグとか言わない。デリカシーない。ゲームじゃないんだから」
「いや此処ゲーム世界なんだが」
「ギャルゲでも乙女ゲーでも無い。此処は狩りゲー。好感度」
『…………無粋な訂正だとは思いますが、プレイヤー・シャト様。子作りは出来ません。此処では子を育めないので』
レティさん? 助けてくれるのかと思ったら混沌を濃厚ソースで味付けするの止めてもらって良いですかね?
現在もう既に話題の味が濃すぎるんだよチクショウ。
「じゃぁ、性交」
『はい、それならば語弊も有りませんね』
「語弊が無くても誤解が生まれるんだが? 此処は広場で、ショップの前なんだが?」
当然、今も転送され続けてる新人とそれを見守る第一陣のプレイヤーが居る場所なので、周りには人が居るのだよ。
三十代目前の男が背の低い中学生女児を侍らせてる絵面とか普通にポリスメン呼ばれるわ。この世界にゃ居ねぇけどさ。
「ちなみにシャト、その好意はガチのやつ?」
「ん、ガチの行為を所望する」
「待て待て今『所望』って時点で多分なにかズレたぞ待て止まれ。アンジャッシュはネタだから楽しいんだよ」
もはや新人のチビッ子探してフォローとかしてる場合じゃねぇなって引き下がろうとすると、シャトが俺の腕をぎゅっと抱き締めたままなので動けねぇ。
「……ああ、理解した。『こうい』が『好きか否か』を聞いてるなら、好き。今更の話し」
「最初はなんのつもりだったんだよ……」
「だから、性交」
「もう良いから一旦口を閉じろ」
知らぬ間に懐かれててビビる。確かにダンボールアーマーの件で恩は売ったかも知れないが、白馬の王子様になるようなイベントは無かったんだがな?
「むぅ、何が不満?」
「いや年齢とか色々あるだろ」
「シャト達、もう死んでる。年齢は理由にならないはず。言うなれば、シャト達はみんな、産まれる前のゼロ歳児とも言える」
屁理屈を捏ねやがって。
「まぁ良い。この話は後にしてくれ。今は保護出来そうなチビッ子居たら保護したいから、ショップの方を見ててくれるか?」
「ん。旦那様がそう言うなら、シャトが中を見てくる。チビッ子スカウトの時間」
お前もチビッ子なんだけどなぁ。
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