第10話 約束

ニマはマンサの部屋で一緒に寝ている。この部屋で一緒に寝るのは

今日で最後だ。


「マンサ、もう寝ましたか?」


「いえ、起きているわよ」


「あの、私と約束しませんか?」


「何を?」


「もし、私が勇者の役目を終えて、その時にまだマンサがヴォルフと結婚していなかったら、私、彼に結婚を申し込みます」


「えっ!?」


マンサは驚いて起き上がる。


「ニマ、……あんた、ヴォルフの事、好きだったの?」


「はい、つい最近ですけど、……自分の気持ちに気が付きました」


「あんな奴のどこが良いの?」


「マンサはヴォルフのどこが良いんですか?」


「うっ、まあ、いいわよ!あんたが魔族を退治するまでにアイツと結婚すれば良いんでしょ?ふん」


「うふふ……頑張って結構早く倒してみせますよ?」


「こっちだって……は、早く、結果をだしてやろうじゃないの!」


お互い顔を見合わせて、思わず笑い合った。


「マンサさん、幸せに……でもうじうじしてたらヴォルフさん奪っちゃいますよ?私も後三年ぐらいすれば色々成長して女性らしくなると思うんですよね」


「あんたがライバルになるのは嫌だわ……はぁ……」


「大丈夫ですよ!後三年もあるんですから……うふふっ」


「ま、頑張ってみるわ」


その後、いつの間にかニマは寝息を立てて寝ていた。

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