第7話 看病
「はあはあ、お父さん……お母さん……」
「ヴォルフ!」
マンサがヴォルフの家に入ったとき、凄まじい悪臭が立ち込めており、よくみると糞尿は撒き散らし、水は腐って蟲が湧いていた。
食べる物もなく、ヴォルフを探して部屋に行くとベットの上で大量の汗をかきながらうなされていた。
マンサは急いで窓という窓を全て開けて、部屋を換気し、いったん家に戻ってマンサの両親を呼んですぐに水と薬を用意して看病した。
マンサの父親は糞尿の処分を手伝ってくれ、母親は水を入れ替えて家から食べる物を用意してくれた。マンサはヴォルフの体を拭きながら、水で布を絞ってヴォルフの頭の上に布をかぶせた。
「ヴォルフ……死なないで」
「はあはあ、母さん……行かないで……」
ヴォルフはうなされ、熱はまだ引かない。マンサはヴォルフが死なないよう神様に祈った。
「神様、どうかヴォルフを助けてください」
必死に祈るマンサを両親が心配になって迎えにきた。
「マンサ、いつまでもここにいたらお前まで病気になってしまう。お父さんたちも交代でヴォルフの世話をするからお前は一旦家に帰りなさい」
「やだよ、家に帰ってヴォルフが死んじゃったら嫌だもん」
「大丈夫よ、薬も飲んだし、もうじき熱も治るわ。お母さんに任せなさい」
そういってマンサを家に帰らせた。
次の日
マンサは起きて直ぐにヴォルフの家に行って、ヴォルフの様子を診る。ヴォルフは起きていて意識はあるようだった。
「ヴォルフおはよう。大丈夫?」
「マンサか、ああ、なんか前より良くなったみたいだ。お前が俺の面倒診てくれたのか?」
「私だけじゃないよ。私のお父さんとお母さんが手伝ってくれたの。はい、このお薬ちゃんと飲んで?」
「うげっ!俺苦いの嫌なんだよ」
「早く治したいんでしょ!男ならつべこべ言わずにさっさとと飲みなさい!」
そう言うとヴォルフは泣きながら薬を飲んだ。
「もう、私がついてあげないとダメね」
そう言ってマンサは嬉しそうにヴォルフの看病をした。
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