第4話 休憩の時間?
貴方達2人が戻ってくるとそこにはもうまるで、見違えるような程に綺麗に、そして美しくなったエネの姿であった。
「え////かわいくなってんじゃんかよ///」
「なんか、綺麗になってる!?」
「かわいい、ぎゅってしていい?いいよね♪」
そういうと返事を待たずして権三はエネに対して抱きつきにいった。それを見届けた紫月は立ち上がり、そそくさと貴女たちが今出てきた部屋に入ろうとした。
「かわいくなったなぁ、エネよ。ってちょっとあんたどこ行くのよ?そっちは何もない屋上だったわよ?」
「俺はあらかた話を聞いたから少し席をはずすぞ。そっちも彼女に何か聞きたいことがあるんじゃないか?」
「むぅーーそれはそうだけど、紫月君はどうしても私達と一緒にいたくないってこと?」
「いや....そういうことじゃないが、まあ、今に限って言えばひとりで状況を整理する時間が欲しいな。そっちの部屋が屋上で何もないなら俺にとっても好都合だ。」
「...怪しいなぁ。」
「怪しくてすまんが、そういうことだ。とりあえず行かせて貰うぞ。あと、怪しいと思うなら尚更聞かれたくない話もあるんじゃないか?」
そう言って彼は扉を開け、屋上の部屋に入っていった。
「いっちゃった....行かせてよかったのかな???」
「いいのよ、今のところは怪しいんだから、こっちに気を遣って当然よ。」
「そう...かな。全然悪い人には感じられないけど。」
「まぁ、そうね。ああいうクールキャラは黒幕か裏切るかいざって言う時に守ってくれるパターンのどれかだもん。」
「ええ!?黒幕???裏切り???」
「物の例えよ。まあ、今は黒じゃないと思うしかないけど。そんなことよりさらにかわいくなったね、エネちゃん♪」
「あ、っはい。さっきのお兄さんがそこから新しい包帯を見つけてくれて、取り替えて貰いました!」
そう言ってエネはこの部屋の中央にある空かなかった棚を指差した。どうやら鍵が開いたらしく、中には救急セットや水。そして1枚の紙切れが入っていた。
「さっきまで開いてなかったわよね?」
「はい、権ちゃんとクリムゾンさんが部屋に入ったらカチッっという音がなって開きました!」
「そうなんだ。ふーん。にしても綺麗になったわね♪大丈夫?変なことされなかったかしら?」
「はい。とても丁寧に処置してくださいました!このとおりです!」
「よかったねぇ、エネちゃんが元気で私は嬉しいよぉ。いろいろ聞いてもいいかい?」
「どーぞ。」
「あいつ怪しくない?何か無性に1人になりたがるし、何か隠してることありそうだし。」
「隠し事があるのは人として当然ではないでしょうか?だって、権ちゃんだって、心の中に(え、かっこよすぎるだろあの顔は...)とか思ってたりするんじゃないんですか?」
「ぐは、純粋な少女の正論パンチだと??やりおるな。」
「さっきから何こそこそ話してるんだ?わいも会話にいれてくれよ。」
「おい、いま大事な乙女の話してるからまだ待ってなさい。」
権三は空気の読めていなかったクリムゾンにでこぴんを繰り出した。とっさの事だったので、もろでこぴんを食らってしまった。
「いてて、都会の女性はこわい...」
「話がずれたわね。エネちゃん的にはあいつの事どう感じた?悪い奴?それともいい奴?」
「私としては、悪い奴ではないと思いますよ?ただ、隠し事とか悩み事とかを人より多く持っているだけで。隠しているのは多分ですけど、貴方達の為を思ってとかそんな感じなのではないでしょう。」
「よくそんな難しめの事スラスラ出てきたね。偉いねぇ。なるほどね、そう思ったんだね君は。いいわ、貴女がそういうのならまあ、あいつが隠し事をしているのは許してあげるは、この私に感謝しなさい。」
きっと別の部屋に行った彼はくしゃみをして、これってどっかで噂でもされてんのかなって思ったり思わなかったり。
「クリムゾン、いいわよこっちにきても。3人で話をしましょ♪」
「また、でこぴんとかしないよな?」
「流石に今回はもうしないわよ。で、ずっと聞きたかったことがあるんだけど。」
「...はい。」
「エネちゃんっていったい何者なの?その見た目と言動が合致しないことが度々あったし、何よりその傷跡。いくら設定と言っても、そのぐらいの年齢の子供ならあんなに平然と私達と話せないんじゃないの?」
「そうだぞ、なんで平然としてるんだべ?」
「べっ、別にぃ。最初に申したとおり、そういう衣装的なぁ感じでぇ、設定なんでぇ、こういう傷ついた子供の方がぁ、皆様の庇護欲が出るとかっていう大人の事情...だよ?」
(何か言ってることの半分は本当だけど、もう半分は嘘と言うかなんと言うか隠されてる、はぐらかされてる気がする、と俺の直感は言ってる気がする)
「もーーーー、だれよこんなにかわいい子を道具にして協力を得てるだなんて、またユニコーンする相手が1人増えちゃったじゃない♪まあ、ここから出るためにも私も手伝うけどさ。」
「自分で言っててあれなんですけど、ゴンちゃんってもしかしてちょろい??????」
そんなこんなで他愛もない会話をしていたら、紫月が帰ってきたようだ。
「おう、帰ってきたぞ。」
「お帰りー」「お帰りなさいです。」
「話は終わったか?いや、ちょうど終わったらしいな。」
「お陰様で。じゃあ、3人揃ったところで次の部屋行こうか♪」
「あいよ。ところであんた、そいつと一緒にいて、大丈夫だったか?」
「あ、僕?うん、大丈夫です。特にはなかったです。」
「そうか、まあ、そいつはそそっかしいから、何かあれば言えよ?ただでさえ上京したてだろお前。」
「!!なぜそれを?もしやさとりかなにか?」
「ちげーよ、ただの一般人だよ。普通にあんたの態度を見てりゃそんくらいわかる。まあ、こっちきて初っ端こんなことに巻き込まれて災難だったが、まあ、強く生きろよ。」
(なんか声援貰った。おれも、雨にも負けず風にも負けず都会に負けずで、紫月さんみたいなかっけぇ男を目指すべ。)
「あんた達、行くわよ。」
「おう。」「はっ、はいー。」
「じゃ、行ってくるわ。待っててねーエネちゃん♪」
そうして彼らは次の部屋(もり)と書かれた部屋に進むのであった。次回へ続く。
※まあ、ここまでで既にちょっとしたズレがあるけど、結局最後が一緒なら全て誤差になるので続行します。時間がとけるんじゃぁ。
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