第3話 まるでうちの学校の屋上みたい
部屋に入って最初に目にしたのはどこまでも透み渡ってる蒼い空。狭い空間のはずなのに空だけは際限なく広がっていた。部屋の風景はと言うと、まるで貴方達が通っている学園の屋上のようにベンチがポツンとあるだけ。しかし、貴方達が知ってる学校とは似ても似つかない所がある。それは屋上から見えるはずの校庭や他の棟、まわりに広がるはずの森林などの景色が存在せず、地面も見えない。目下には濃い霧が立ち込めている状況だ。
「え?これうちの学園の屋上?」
「なんでこの場所に屋上があるん?」
「しっかし、変な空間ねここ。入る時に想像してた5倍は広いじゃないの。それに、こんなに空が見えるだなんて。」
「ふぃひゃ!地面が見えない!?」
「え、まじじゃん。霧?が濃くてなんにも見えないわよ。こんなに変なことが沢山起きてるし。」
「そっちはなんか見つけたりしましたか?」
「まだなんにも。それにここ、ベンチの1つや2つしかないじゃないの。で、別にベンチの裏にも何かくっついてるわけでもないし。」
しばらくしても彼女達は何も見つけることが出来なかった。それ程までここはなんの変哲もない屋上であった。
「しっかし、本当になんにも見つからないわねここ。何かしらでてくるはずでしょ!」
「お、落ち着いて下さいよ、綾小路さん。」
「はー。やってらんないわ。あいつも追ってこないし。なにしてんのよもーーーー!今のところ怪しさしか感じられないわよ!!!顔はかっこいいのに心の中では何を考えてるかが全く読めないし。怪しさ満点過ぎるってばよ!!!」
「そんな奴、1人にしてよかったんですか?綾小路さん。」
「しょうがないじゃない。知識に関してはあいつの方がもってるぽかったし。別に何かあったらユニコーンするだけだし。怪しいけど...って、さっきからちらちら聞こえてたけど、その綾小路さんって言うのやめてくれない?私って超絶可愛い美少女なわけで、"さん"って言うのはぜんっぜん可愛くないんですけど。」
「あ、ごめんなさい。そういうのには疎くて。じゃあ、改めて権三。よろしくたのみゅっ。」
「草。」
「ひゃっ、また大事なところで噛んじゃったよ...こんな調子じゃ都会に馴染めないよ...」
「まあいいわ。こちらこそ改めてよろしくねクリムゾン君。」
「////」
「ちょっとからかっただけでこんなに反応しちゃうだなんて、やっぱり面白いわね♪」
「え、っちょ今のってからかってたんけ!?やめてくれぇおでで遊ぶだなんて。」
「考えておくわ。じゃあ戻りましょ、エネちゃんの元へ。あいつと2人っきりにさせておくなんてツインテールの骨折り損だもの。怪しさしかない奴と一緒にさせておくんじゃなかったわ。さあ、行くわよ。」
そうしてこの部屋から彼女と怪しさ満点な奴がいる部屋に戻っていくのであった。
次回へ続く。
※2/8 描写の加筆
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