第6話 Welcome back

 □Side-A5

 2シーターは、大通りの交差点を、さっきと逆方向に進んでいった。やがてぼくたちの車は、街中を離れ、田園地帯へと進んでいった。ぼくは彼女の車の後ろに2台をはさみ、追尾(ストーキング)している。果たして彼女は、ぼくの存在に気付いているのか、気付いていないのか。

 コンビニを出発してから30分以上経っていた。周りは広大な田園地帯である。ぼくの存在を隠していた2台は、もうとっくに消え失せていた。彼女のドアミラーには、ぼくの車がはっきりと写っているであろう。でも、もう開き直っている。彼女の姿を見るまで、ぼくは諦めない。何たってぼくは、ストーカーなのである。

 やがて、2シーターはゆっくりと減速し、村道の脇に停車した。


■Side-B5

 ホワイトに塗られた彼女の車が、視界に入ってきた。良かった。無事に帰ってきたのだ。さっきまでの心配が杞憂きゆうに終わり、僕は心から安堵あんどした。だんだん近づいてくる彼女の車に、僕は大きく手を振った。


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