俺の人生こんなもんゲーム

半魚人との戦い

はぁ、疲れた。

俺の体力の消耗は、相当なものだ。もう、自信がなくなってきた。

というか、今まで成功してきたのが奇跡だ。

燃え尽き症候群のはずだったのに。

休みたい所だが、そろそろ警告が怖い。

俺は、ゲームの説明を押した。

すると、ヒヨッピーの横の吹き出しで、

ー僕、ヒヨッピー。これから、ゲームの説明をするよ。タカシは、半魚人の手が右手、左手と握ったり開いたりするから、開いたら、50回、手のひらをタッチしてねー

疲れているが、仕方ない。

ゲームスタート、を押した。

半魚人が、奥に海のある砂浜にいて、右手、左手をこちらに向けて、握ったり、開いたりして、俺は、右の手のひらが開いたら指でタッチして、左の手のひらが開いたら、指でタッチした。

これは、もしかして集中力が続けばクリアできるかもしれない。

43回目、あともう少し、俺は、左手を指でタッチした。

しまった。

握っている手にタッチしてしまった。

失敗です！！ゲームの中へ！！と、書かれていた。

俺は、スマホの中に吸い込まれた。

すると、辺りが海の見える砂浜になっていた。

また、三次元のヒヨッピーが現れた。

「僕、ヒヨッピー。これから、ゲームの中の説明をするよ。タカシは、半魚人の手が、右手、左手と握ったり、開いたりするから、開いた時に50回、手のひらに乗ってね。手のひらに乗れなかったら、握り潰されて殺されるよ。」

相変わらず、最後の言葉が怖いんだよな。

目の前には、巨大な半魚人が、両腕を前に水平に上げて、握った状態でいた。

ピクリとも、動かない。不思議だな。

ヒヨッピーが、ゲームスタート、と言った。

俺は、半魚人によじ登ると半魚人の右の手のひらが開いたところに、飛び乗った。

今度は、反対側が開いた。今度は、そちらに飛び乗った。

ヒヨッピーが、「42.43.44」とカウントしていて、「44」と、言った時だった。

俺の右足が、飛び移ろうとした時、足首から先が引っかかり、そのまま、半魚人の右手の方に引き込まれ、俺は、握り潰されて、死んだ。

スマホの画面には、

失敗です！！GAME OVER！！と、書かれていた。

　　　　　　　　了