大蛇との戦い

 俺は、このゲームアプリが恐ろしくなった。

もう、このゲームを終わりにしたい。

命を懸けたゲームなど、もう、したくない。

アプリを閉じようとしたが、どこを押しても閉じれない。

電源を切ろうとしたが、切ることも出来ない。

何回試してみても駄目だった。

お試しのゲームの後は、閉じれたのに。

本格的にゲームが始まったら、閉じれないということか。

そうだ。

このまま、スマホを処分しよう、と思ったその時だった。


警告!!あなたの絶命まで5秒前!!と、スマホの画面に映った。


 えっ?このゲームを続けないと俺は、死ぬのか。

俺は、慌ててゲームの説明を押した。

 すると、ヒヨッピーの横に吹き出しで、

ー僕、ヒヨッピー。これから、ゲームの説明をするよ。タカシは、大蛇がとぐろを巻いている中にいるから、時間内に指でなぞって、隙間から抜け出してねー


 また、仕方なく溜め息をつくと、

ゲームスタート、を押した。

 大蛇の長いとぐろの中間くらいに赤い点があった。

そこから、指をなぞるのか。指をなぞるとそこにまた、線が引かれていってとぐろの間から、出ようとするが、中々、抜け出せない。

あっ、ここなら、抜け出せるかもしれないという、広い隙間を見つけた。ここ……

俺が、そこに指をなぞろうとすると、全ての隙間が閉じた。


 失敗です!!ゲームの中へ!!と書かれていた。


 俺は、スマホの中へ吸い込まれた。

すると、辺りは、真っ暗だった。隙間から少し、光が見えた。


 また、三次元のヒヨッピーが現れた。

「僕、ヒヨッピー。これから、ゲームの中の説明をするよ。タカシは、大蛇が、とぐろを巻いている中にいるから、時間内に、よじ登って隙間から、抜け出してね。抜け出せなければ、絞め殺されるよ。」

最後の言葉、怖いんだよな……

 ここは、大蛇の長いとぐろを巻いた中なのか、目が慣れてきたようだ。

 しかし、この大蛇もやはり、動かないな。


 ヒヨッピーが、ゲームスタート、と言った。

俺は、螺旋階段のようになっている所を急いで、懸け上がった。なにせ命が懸かっているんだ。隙間は、あるが体が抜けられるような所が、ない。

 ヒヨッピーが、カウントを始めた。「5.4.3.2……」

カウントと共に空間が狭くなってきた。

あっ、ここだ。


 俺は、人間がやっと抜け出せる隙間を見つけ出し、

外に飛び出ると、俺は、スマホの前に座っていた。


 スマホの画面を見ると、

成功です!!100万円get!!と、書かれていた。


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