第四十四話 「再会」

「まさか、また会えるなんて....!」


「・・・鮎人――――」


鮎人は目の前の咲茉に向かって


何か声を掛けると、静かに開いた扉から


外の様子を伺う


「(・・・・まさか...)」


【今までの"映像"を見て分かる通り、


鮎人は常に何かしらの理由をつけて


俺達の前から離れる事が多かった....】


「(イ....!)」


【た、確かにそうだな....!】


「(・・・・)」


"ジジッ


「(―――ステージの上....!)」


"ジジジジジジジ...."


【でも、それじゃ一体何のために


鮎人くんは...?】


"ジジッ"


「(・・・・・)」


扉の影から広い、一点だけ


明かりが灯っているステージの上を


鮎人が見上げると、そこに


手にマイクを持ちながらイ、


そして事務所のスタッフ達全員が


集まっている姿が見える


「・・・どうするつもり?」


「・・・!」


後ろから聞こえて来た


"声"


に思わず振り返る


「見た所、あの"イ"は


事務所のスタッフを騙して


 あなたを犯人に仕立てようと


 しているみたいだけど...」


「(・・・・)」


"ジジッ"


「(・・・あれ・・・)」


「どうするつもりなの、鮎人?」


「・・・!


―――――ええ...」


"ザッ!"


「・・・・!」


ステージの下に置かれた先程まで


イが操作していたパソコンを見つけると、


鮎人は静かに扉からホールの中へと向かって


歩いて行く....


「気を付けて――――」


「・・・・」

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