第四十二話 「出会い」

「(・・・・)」


"犯人はイ"


「(そして....)」


外から聞こえて来るイの口振りを聞けば、


どうやらイは事務所内での


自分の立場の確保を狙って、


競争相手である自分の事を蹴落とす為


自分を犯人に仕立て上げようとしている様だ


「(・・・・だが...)」


"それにしてもおかしい"


「(....別に、俺が事務所内である程度の


立場の人間だからと言って


何も俺が次の事務所の代表になるとか、


そんな事が約束されてる程俺は事務所内で


立場がある訳じゃない...)」


【・・・鮎人、少しこっちの仕事


 手伝ってくれないか!】


【あ、ああ】


【悪いな・・・・】


「(・・・・)」


それに普段のイの態度を見ても何となく分かるが、


イが自分に以前から強い殺意の様な


感情を持っていたとは考えられない


「(だったら―――...)ッ!?」


"ギィィィイイイイイイイ....


「(――――!?)」


椅子の上に座りながら鮎人が


イ、そして事件の事について考えていると


「・・・鮎人...」


「お、お前―――っ....


"ギィィイイイイイイイイイイイ....."


鍵が掛けられていた筈のカードルームの扉が


ゆっくりと開き出し、そこから一人の"女"が


鮎人の前に姿を現す!


「―――鮎人....平気?」


「あ、あ――――っ!!」

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