第三十七話 「罠」
「(・――――――
【―――さか、"鮎人"―――
犯人―――....】
「(・・・・
【あの野郎―――― リして
―――まさか四人を――――】
"ガタッ!"
「・・・う、ううっ...」
"ガタンッ!"
「(――――ッ!?)」
"ガタタッ!"
「あ、ああ.... ッ!?」
"バタンッ!"
「う、こ、ここ―――.... っ!?」
【もう一回、事件を――――
"再生"――――...】
「な、な....」
"ガタッ!"
「("縄"―――――!)」
"ガタッ ガタタッ!"
「う、うう・・・っ」
頭に鈍い痛みが走ったと思った次の瞬間、
鮎人が失っていた意識を取り戻すと
急に体が何かに
締め付けられている様な感覚がして
鮎人は自分の手を動かそうとする――――
「(な、縄―――...っ)」
"ガタタッ
「だ、ダメだ....っ」
"ガタッ ガタタッ!"
「くっ....」
体が全く動かないのを見て
顔を下に向け、自分の体に目をやると
どうやら、今自分は椅子の様な物に
縄で体を縛り上げられどこか別の場所、
先程自分がいたシアターホールとは
別の部屋いる様だ――――
【だから、あいつ、元からおかしな奴だって
言ってただろ――――】
「・・・っ」
鮎人が横に倒れたまま、体を縄で縛られた状態で
狭い、明かりの無い部屋の様子を伺っていると、
どこからか分からないが、部屋の外から
声の様な物が聞こえて来る
【確かにな・・・元々、あんまり
人と距離感のある、距離を置くような
人間だったからな・・・】
「(イか・・・?)」
【それより、ちゃんと事件現場を見直して
鮎人が犯人だって事をもう一度
確認した方がいいんじゃないか―――】
「("孫"さん...
....って事は・・・)」
どこからか聞こえて来る、何か
マイクの様な物を通した声に、鮎人は
今自分がどこにいるかを理解する
「か、カードルーム...」
"ガタッ!"
「っ――――!」
何とか自分の体を縛り付けている縄を解こうと
体を激しく動かすと同時に、
鮎人は外から聞こえて来る声、
そしてこの状況に今自分がシアターホールの隣、
普段はギャンブル用のテーブルや
機械が置かれている
"カードルーム"にいる事を悟る――――
「・・・って事は....
....俺が、アイツらに...
犯人に仕立て上げられたって事か...っ!」
"ガタッ! ガタタッ!"
【まさか、自分が犯人を推理するフリをして
その自分が犯人なんてな――――】
【どう言うヤツなんだ...アイツは...?】
「ッ――――!!」
"ガタッ ガタタッ!"
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