第三十六話 「逸失」

「まさか、事件現場の映像が


残ってるとはな....!」


「・・・・!」


「亜矢子さん・・・・」


「・・・・」


「・・・・」


「・・・・」


「・・・・」


この船に乗船してから、イは犯行後を除いて


船内を撮影していないと言っていたが


ステージ上に何故か山口が殺害された時の


犯行現場の様子をイが再生させているのを見て


鮎人の表情が固まる


「・・・鮎人っ」


「・・・・」


「―――嘘だっ!」


「鮎人――――、諦めろ...」


「嘘だっ....!」


「鮎人~...」


「"!"」


「この野郎っ!」


「ッ(――――....


"ガンッ!"


「(俺が、"犯――――....


どこからか分からないが、


突然頭に鈍い痛みが走り鮎人は


朦朧(もうろう)とした意識の中でステージ上にいる


イを見上げるがイは口の端を上げ


歪んだ表情で自分を見下ろしている...


「(う、嘘だ――――....

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る