第二十話 「暗転」
"パッ"
「あ!」
「な、何だ!?」
「・・・・!」
「あ、あれ――――...」
「あ、明かりが・・・」
「う、うわぁあああっ!」
「だ、大丈夫――――!」
「あ、鮎人さん!」
突然、ステージ上に照らされていた明かりが消え、
ホール内が完全な明かりの無い
暗闇へと変わる――――
"ガタッ! ガタタタッ!"
「お、おいっ!」
「な、な――― ...っ!?」
"ガタッ!"
明かりが消えた事に驚いているのか、
それともゴーグルを
付けているからかは分からないが
ホール内に集まったRS事務所のスタッフ達は
周りの人影に向かって驚いた様な大声を上げる
「う、うわっ」
「―――チェ、ユ。」
「・・・・!」
"ダッ ダッ ダッ ダッ...!
「な、何だ? 明かりは点かないのか!?」
「な、何も見えない!」
"ズサッ!"
「う、うわっ!」
"パッ!"
「あ、あれ?」
「な、何・・・?」
「あ、ああ、明かり....」
「イ・・・・」
明かりが消えてすぐ、
ステージの上に明かりが戻り、
周りの視線が一斉にステージの上に集まる
「・・・な、何だったの?」
「VR映像の方に電気を
使い過ぎたみたいだな...」
「イ・・・」
「な、何だったの?」
「びっくりしたー」
「・・・・?」
突然明かりが消えた事に、鮎人が
ステージの下を見下ろすが、
変わらず劇場内には暗さが残り
事務所のスタッフ達の方に目を向けると、
どうやら落ち着きを取り戻したのか
スタッフ全員が自分を見上げているのが見える
「少し、こっちの方に電力を
回し過ぎたみたいだな...」
「イ・・・」
鮎人は、ステージの側まで近づいてきた
イに近寄って行く
「大丈夫だ。今、チェとユに言って
配電室のブレーカーを戻してもらったから・・・
すぐに戻ったろ?」
「・・・あ、ああ」
「な、何?」
「ブレーカーが落ちたのか?」
「・・・とにかく――――」
「な、何だ?」
「まだ、何か話があるの?」
「・・・・」
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