第23話

「お待ちかねの生活指導だ」


「喜べ」


「今日は新しい話だ」


「ということで」


「君への新たな課題は……」


「ズバリ」


「……」


「朝ごはんを食べる、だ!」


「……」


「どうした、目を丸くして」


「いや、元からそんな顔だったか」


「朝ごはんはとても大切だぞ」


「しかし日常生活において軽視されている」


「嘆かわしいな」


「いいか?」


「君が夕食を20時に食べたとする」


「そして睡眠を挟んで朝7時に朝食」


「のところを食べなかったら?」


「次の食事は昼12時だ」


「その間、なんと16時間の絶食」


「君の体は、脳は、どうやって栄養を補給する?」


「どうやってパフォーマンスを維持する?」


「それに」


「その状態で昼食を食べると、血糖値が急激に上昇してあまり体に良くない」


「体重も増えやすくなるらしい……」


「だから朝食は食べろ!」


「健康と作業効率のためにだ」


「前日におにぎり1つ用意するでもいい」


「何もないよりずっとマシだ」


「……」


「気が乗らないようなら」


「そうだな……」


「私が作ったと思えば、君は少しは食べる気が出るかな?」


「誰かの手料理はそれだけで嬉しいからな」


「……」


「うん」


「じゃあまた明日だ」


「君には見えないだろうが、明日は私も食卓に並ぼう」


「一緒に朝食を食べようじゃないか」


「楽しみにしてる」


「それじゃあ」


「おやすみ」


「ふふっ」

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