第22話
「ふふん」
「やあ」
「お目覚めかな」
「そろそろ金縛りにも慣れた頃だろう」
「かれこれ10日以上はかけているからな」
「慣れてもらわないと困る」
「……」
「さてさて」
「今日の書き置きは……」
「『運動を沢山したのでご褒美ください』」
「……」
「ま、まあ、自己申告だしな……」
「君が運動をしたと言うのならそうなんだろう……」
「それで、ご褒美って……」
「ん?」
「まだ続きがあるのか」
「『膝枕で耳かきお願いします><』」
「……」
「は?」
「み、耳かき?」
「それの何がご褒美なんだ……?」
「まあ、それくらいなら構わないが……」
「……」
「耳かきはたしかここらへんに……」
「あった」
「よし」
「それじゃあ始めるか」
「……」
「ん?」
「あれ?」
「どうやってやるんだ……?」
「君は仰向けじゃないか」
「……」
「しかたない」
「腕を持って……」
「ふんっ!」
グッ
「ううううううん!」
「はっ!」
バタッ
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ふぅ」
「これでよし」
「横向きになったな」
「疲れた……」
「……」
「次は膝枕……」
「は」
「無理っ!!」
「だって無理だろ!」
「どうやって持ち上げろって言うんだ!」
「もうこのまま行くぞ」
「上から覆い被さるけど我慢しろ」
「君が言い出したんだからな」
「……」
「ふふっ」
「なんだこの体勢は……」
「あはははっ」
「手が震える」
「い、いくぞ」
「……」
「なあ」
「今気付いた」
「……」
「暗くて何も見えない」
「……」
「しゅーりょー!!」
「耳かきはは終わりだ!」
「ほら、仰向けに戻れ」
ドサッ
「いったいなんの時間だったんだ」
「次にいくぞ」
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