第18話
「ふふん」
「やあ」
「おはよう」
「今日も良い夜だ」
「絶好の金縛り日和だな」
「君もそう思わないか」
「熱帯夜にうなされて」
「目が覚めると体が動かない」
「目の前には女の子の幽霊」
「……」
「実に夏っぽいじゃないか」
「そんな夏にはやっぱり運動だ」
「君は運動をしたかな?」
「書き置きを見てみようじゃないか」
「……」
「ふむふむ」
「自己申告だからな」
「君のこの言葉を信じるとして」
「『駅では階段を使いました』か……」
「うん!」
「素晴らしい!」
「その調子だ!」
「頑張りたまえ!」
「そして……」
「『疲れたので帰りはエスカレーターを歩きました』だと……」
「エスカレーターにお乗りの際は!」
「ベルトにおつかまりになり!」
「黄色い線の内側にお乗りください!」
「つまり……」
「歩くな!」
「君はいいかもしれないが」
「転んだら周りを巻き込むだろうが!」
「それに」
「追い抜くときにぶつかるかもしれない」
「あるいは避けようとした相手が転ぶかも」
「そういった危険性があるんだ」
「歩くなら階段を使ってくれ!」
「……」
「まあ」
「階段でも私のようにポックリ逝くかもしれないけどな」
「はっはっは」
「……」
「笑い事じゃないわ!」
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