第6話

「ふふん」


「やあ」


「君は律儀だな」


「わざわざ書き置きをするなんて」


「『聞こえてるよ』か……」


「私は所詮ただの幽霊だからな」


「たったそれだけの言葉でも私は嬉しいよ」


「君との繋がりを感じることができる……」


「だが、それはそれだ」


「私は怒っている」


「理由は……、分かるな?」


「今朝の君の行動だ」


「寝坊したからといってカバンを忘れるとは……」


「監督役として嘆かわしいよ」


「なんせ昨日褒めたばかりだからな」


「まるで私が馬鹿みたいじゃないか」


「こんなことなら甘やかさなければ良かったと後悔さえしているくらいだ」


「わざわざ囁いてやったってのに」


「誉めがいのない奴だよ」


「そんな君にはお仕置きが必要だな」


「どうせ君は抵抗できないんだ」


「甘んじて受け入れてくれ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る